Herbie Hancock "Montreux Jazz Festival 1987"

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新作を作っていると言われているHerbie Hancockですが、ここのところ表舞台に出てくるのはフェスティバル等イベントに呼ばれてスペシャルバンド的なものでの演奏をしているような印象。
と、最近(2019夏)のスケジュールを調べたら、Herbie Hancock, Vinnie Colaiuta, James Genus, Lionel Loueke, Terrace Martinなんてメンツでツアーしているなぁ..
先日、2016年の東京JAZZのライブ音源なんてのを紹介したが、ここでも似たようなメンツでの演奏を聴いているが、曲も曲なんでノスタルジックな雰囲気も出ていて、あまりエキサイトするようなものではなかったという印象。
 "Tokyo 2016"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64736400.html )
Chick Coreaも昔取った杵柄で勝負しているようなところがあるが、あちらはあまりノスタルジックな気配を感じさせず、この差は一体何なんでしょうね?
本作は、Herbie Hancockがまだまだおもしろいライブを演っていた(と個人的には思っている)頃の演奏です。
1996年にリリースされた"The New Standard"というアルバムを引っ提げて行われたライブの音源で、このときは、"New Standard All Stars"と題された面々での1997年のモントルーでの演奏。
"New Standard"というアルバムが当初リリースされたときはスタジオ録音だけの1枚構成だったが、しばらくしてライブ音源を加え2枚組(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a39014227.html )でリリースというアコギなものがあったんですが、このときのライブ音源がすこぶるエキサイティングで、ぶっ飛んだという記憶が残っていて、この"New Standard"のライブがHerbie Hancockの面白いところをとらえていると思ったが所以。
2016の演奏で萎えた記憶があるところに、このころのライブ音源を見つけたので思わず飛びついたというもの。
メンツは、アルバムと同じメンツで、当時でもスケジュール調整は相当難儀だったんじゃないかという面々がずらりと揃っています。
Herbie Hancock(P)、Michael Brecker(Ts,Ss)、John Scofield(G)、Dave Holland(B)、Jack DeJohnette(Ds)、Don Alias(Per)
演奏曲は、2枚にわたって、Beatles, Peter Gabriel, Prince, Stevie Wonder等々、曲数少ないことから1曲にたっぷりと時間をかけて演奏していることが予想できます。
Disk1
01. New York Minute
02. Norwegian Wood
03. Mercy Street
Disk2
01. Thieves In The Temple
02. You've Got It Bad Girl
03. Love Is Stronger Than Pride
Herbie Hancockの執拗に同じフレーズを繰り返し、ガツーンガツーンとインパクトを与えるピアノの破壊力の強さが、最初に印象に残るところ。
この頃は、本領発揮的にちょっとアウトする変態フレーズ満載のギターをたっぷりと披露していた、John Scofield。
最近のギターサウンドを多く聴いている身には逆に新鮮に感じられる部分もあるくらい。
Jack DeJohnetteがDon Aliasとともにドスを効かせたような重量感のあるサウンドで、演ってることは一筋縄では理解しにくいようななかなかトリッキーでありながら煽り感も凄いドラミングを聴かせる。
Dave Hollandのうねりを効かせたベースの迫力も相当なもの。
なんだかんだで、この盤の一番の聴きどころはHerbie Hancockの演奏の一番面白いところを捉えているところで、過去にこの頃の非リーダー作、リーダー作のbootを含むライブでの演奏でエキサイトなものをいくつか聴いているが、ここでの演奏はそれに比肩するかそれ以上にエキサイティングでワクワクするよ演奏を聴くことができる。
あきらかに、2016年のライブ演奏よりは、こっちの演奏のほうが格段にエキサイティングでワクワクするよ演奏を聴くことができる。
Michael Breckerも、この頃が油乗りきってたんだろうなという演奏を聴かせてて、涙を誘う。
合掌

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