Brad Mehldau "TOKYO 2019"

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Brad Mehldau が2019年の5月末から来日公演を行っていましたが、本作はその中から6/1の東京国際フォーラムでの演奏を収録したBootlegです。
これ以外にも5/30の兵庫、5/31のサントリーホールの演奏もリリースされているようで、それだけ話題性の高いライブだったことが知れます。
Bootlegなんで、人によっては拒絶反応を示すことも重々承知していますが、聴けるもんなら聴いてみたいというのがファンの心情ってことで、個人的にはそっちのスタンスです。
メンツは、Brad Mehldauのレギュラートリオの3人。
Brad Mehldau(P)、Jeff Ballard(Ds)、Larry Grenadier(B)
演奏曲は以下の通り。CD2枚分だっぷりと聴くことができます。
Disc 1
1.Sehnsucht
2.Gentle John
3.Bee Blues
4.Inchworm
5.Backyard
Disc 2
1.From This Moment On
2.When I Fall In Love
3.Tenderly
4.Secret Love
5.Long Ago And Far Away
さすがに、音的にはあまり感心できるものではない。
ホールの遠方からの録音で、PAの音を多く拾あ、さらにホールトーンがしっかり乗ったものになっているのは、いたしかたないところ。
ピアノの低音、胴鳴りが明瞭に聴こえなかったり、ベースの低音がちょっと不自然な感じに聴こえたり、ドラムも高い音が目立ってカツカツした音が目立つような感じ。
ただ、バランス的には大きな不満はなく、いづれかの楽器の音が異様に大きかったり小さかったりという感じではなく、ベースもしっかり聴こえているのは大きなホールのPAの威力が絶大ということではあります。
それでもって肝心の演奏のほうは、さすがに当代きっての名ピアノトリオの名に恥じないだけの演奏を聴かせていて、ゴッツリの4ビート、8ビート、6/8拍子の曲等々、揺るぎないテーマ演奏から流暢かつ淀みのない即興にいたるまで至福のサウンドをたっぷりと堪能させてもらってます。
回数聴いていると、それまで気づかなかった微妙なニュアンスとかに、ふと気づいたりして、おっ とか にやっ とかしたりして、そういうところが、音悪くても、生の臨場感希薄でも、記録音源として聴く良いところだとは思います。
目の当たりにしなかった(できなかった)演奏を後から聴けるという意義も大きいと思うが、1度しか聴けないはずの演奏を後から何度も楽しむことで、いろいろ発見する意義もまた大きいとは思う。
でも、Brad Mehldau節みたいなのは、あまり前面には出てきていないなとも感じられるか。
ベストは、Disk2の3曲めにします。

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