"Conner's Day" Ari Hoenig

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Ari Hoenigのリーダー作は2018年にも出ていたので、これまでに比べちょっと短いインターバルでのリリース。
前作は
 "Ny Standard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64563257.html)
今回のアルバムは、たぶん初と思われるピアノトリオで、そのピアニストが、Avishai Cohenに見いだされたNitai Hershkovits。
Nitai Hershkovitsのピアノトリオ作としても"From Darkness"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63132183.html)、"Reflections"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64440631.html)以来の3作めではないかと思われる。
と、ちょっと気になりすぎるアルバムだったので、速攻で入手の算段を探ったのですが、これも入手にちょっと苦労しました。
しかし、Ari HoenigがFresh Sound New Talentレーベルからリリースってのもちょっと違和感あります..。
メンツは、そんな2人に、ベースにOr Bareketを擁したもの。このOr Bareketですが、自blogを
Nitai Hershkovitsのライブ(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64550700.html)と、その前にJean-Michel Pilcのライブ(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63443982.html)で生で見ています。
でも、アルバムで聴くのはこれが初でした。
Ari Hoenig(Ds)、Nitai Hershkovits(P)、Or Bareket(B)
演奏曲は、7曲が共作を含むオリジナルで、残りがスタンダード等を配した全部で12曲。
01 Conner’s Days
02 All the Things You Are
03 Anymore
04 Prelude To a Kiss
05 For Tracy
06 Figuration
07 Bewitched, Bothered and Bewildered
08 All of You
09 Guernsey St Gooseneck
10 In the Wee Small Hours of the Morning
11 Up
12 Conner's Days Reprise
空間を埋める役めの大半をドラムが担っていて、ピアノですら曲名が分かる程度の提示というような曲も含めて、ドラム主導の演奏が多い。
ピアノが前面に出ていても、抽象的だったり、美旋律のテーマとは言い難いような表現の曲が多めで、それもこれもドラムの表現のほうが興味深い展開で、曲とピアノに耳目が向かないような塩梅。
もっとも、フレーズは抽象的であったとしても4ビートを基調としたビート感がしっかりとした曲が大半(バラード曲もある)なので、心地良くテンポを刻みながら聴いていられる。
そしてもちろんピアノソロはあってNitai Hershkovitsらしいしなやかな即興を聴かせるが、どことなく音数は控えめ、打鍵控えめな様相に聴こえてしまうのは…。
そんなわけで、ドラムのAri Hoenigの挙動に耳が向きがちであるのが、だからといって好き勝手にドラムを叩きまくっているようなことは一切なく、全体の雰囲気、流れをもの凄く意識した繊細なドラミングでありながら、
変幻自在的に自由度の高い表現をしているような、そんな演奏。
8曲めが、だいぶ3者対等な演奏でこれをベストにしましょう。

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