"Free To Play" Espen Berg

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Espen Bergの3枚めのアルバムです。
これまでの紹介は、
 "monster" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63802222.html)
 "Bolge" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64401721.html)
前作の入手もそうだったんですが、輸入盤が入ってこないので、中古が出てくるのを待って入手しています。

メンツは、不変の3人。
Espen Berg(P)、Barour Reinert Poulsen(B)、Simon Olderskog Albertsen(Ds)

演奏曲は、9曲のオリジナルにスタンダード1曲という構成。
01 Monolitt
02 Skrivarneset
03 Kestrel
04 Camillas Sang
05 Gossipel
06 Episk-Aggressiv Syndrom
07 ’Oumuamua
08 Meanwhile in Armenia
09 Furuberget
10 Body and Soul (Bonus track)

ベースの擦過音にヴィブラフォン(じゃなくてチェレスタだそうです)が重なる冒頭曲の音色にちょっと面食らうが、2曲めは、Espen Bergらしい温度感低めの透徹な演奏が聴け、ここからが本番な気配。
3曲めではドラムの叩き出す複雑なリズムから、ピアノの速いフレーズに続いてあっという間に終わり、4曲めはバロック音楽を彷彿とさせるような端整な美しさを聴かせ、5曲めがブルースかロックかというリズム、6曲めでは嵐の夜みたいなドラマチックなピアノ、こちらもドラマチックに展開が変化していく8曲め、と、なかなか目まぐるしく展開が変わっていくようなアルバム構成。
それぞれの演奏面でも、ピアノの右手と左手で拍の違う演奏をしてみたり、弦を直接叩く。ベースのアルコ弾きに、ゴッツリのピチカート。ドラムのシンバルを基調とした自由度の高いドラミング。
と3者がそれぞれに、さまざまな表現でメリハリをつけていて、北欧系を基調としながらもエキサイトな演奏を楽しむことができる。

曲によって差はあるが、前作では減じられたと感じている、孤高な雰囲気、透徹感、ひりひりするような雰囲気のようなものがある程度復活している印象で、このアルバムくらいの塩梅が、良い具合にEspen Bergの個性として映えているように感じられる。
最後の曲が有名曲。前作では、Sting、Simon & Garfunkle とポップス曲を入れていたが、ここではスタンダードを持ってきて、程よく力の抜けたゆったりとした雰囲気の演奏を聴かせる。

ベストは3曲めでいきましょう。

"Free To Play" Espen Berg (https://www.amazon.co.jp/dp/B07NHKBFMQ/)

この記事へのコメント

2019年09月16日 16:22
私もなんとなく注目してきたトリオです。
ozaさんの注目曲が"kestrel"との書き込みをみて・・・ウーン成る程その世界なんですね・・・と、音楽的な革新性に注目度があるのだなぁーーと思った次第です。私の場合はむしろそのあとの"Camillas Sang"とか"’Oumuamua "のピアノの美しさに魅力を感じてしまう方なんです。
しかしこのトリオの前進性・革新性にはいろいろと期待してしまいますね。
TB→http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-558da1.html
ozsa。
2019年09月22日 18:56
遅レス、申し訳ありませんでした。

何とも言えませんが、聴いている範疇では、まだ方向性にブレがあるというか広い振れ幅がある印象で、本流が見えにくいというか幅の広い表現を目指しているというか...。
まだ、いろいろな側面を見せてくれるんじゃないかという期待感も垣間見れ。。。
今後の行く末を冷静に見ていくのが吉ではないかと勘繰っていますです。


tbありがとうございます。逆tbさせていただきます。