Chase Baird "A Life Between"

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Chase Bairdというサックス奏者のリーダー作だが、これは完全に未チェックだったもので、さる方に教えてもらったもの。
もっともCDではリリースされていないものなので、チェックが行き渡らなかったとしてもしかたない。

ちなみにリーダーのChase Bairdを自blogで検索すると、ここにも参加しているAntonio Sanchezのリーダー作で聴いていました。
メンツは、絶対見逃せない名前が並んでいて、Nir Felder, Brad Mehldau, Antonio Sanchez このメンツを見て食指が動かない。
Chase Baird(Sax)、Nir Felder(G)、Brad Mehldau(P)、Dan Chmielinski(B)、Antonio Sanchez(Ds)

演奏曲は以下の通り。クレジットは不明。
1. Ripcord
2. As You Are
3. Reactor
4. Dream Knows No End
5. Wait and See
6. A Life Between
7. In the Wake
8. Im wunderschonen Monat Mai

Brad Mehldauのピアノによる序章に、ディストーションをかけたNir Felderのギターが絡むロックなイントロからサックスが入ってくる本編はだいぶ端正な雰囲気に変化するが、要所で出てくる。
ディストーションをかけたNir Felderのギターが鳴るたびに冒頭の過激な雰囲気を思い起こさせる1曲め。

2曲めに6/8の中低速のバラードっぽい曲、3曲めが無機的なドラムのメカニカルなリズムにリバーブをかけたサックスがのるクールな雰囲気もある現代的なサウンドの曲。
以降8ビートを中心にスローな曲を挟みながら、多少電気的な処理を加えた音なども使いながらクールな雰囲気を感じさせる現代ジャズの格好良い演奏が続く。

前面に出てテーマにソロにと縦横に演奏の主要部分を組み立てていくのはリーダーであるChase Bairdのサックスで、登場頻度は圧倒的にこのサックスが高いのは間違いないところではあるし、Michael Breckerばりとまでは言わないが、テンションの高い良いサックスを聴かせているのは間違いないが、
なんだかんだこのアルバムの聴きどころは、Nir FelderのギターとBrad Mehldauのピアノの参加である事も間違い無く、その両名の演奏が出てくれば否が応でもそこに耳を持ってかれる。

特にNir Felderのギターが良いタイミングにちょっと意表を突いた音色で印象的に鳴るフレーズを繰り出してくる場面が多く、押し出しの巧さも含めた上手さを意識させられる。
後半ではBrad Mehldauの長めの印象的なソロが入る曲が続き、存在感をより高めている。

ベストは、4ビート基調の4曲めにしましょう。

この記事へのコメント

betta taro
2019年10月29日 18:08
この作品はご紹介の通りの良盤だと思います。

盤全体を繰り返し聴くうちに、Nir Felderの出番が良いアンバイにコントロールされてると思い至りましたが…

一曲目を初めて聴いたとき、これだけNir Felderにリフやテーマの随唱?を弾かせてリスナーをその気にさせておいて、ギターのソロが始まるかと思ったら曲が終わって面食らいました(笑)

Rotam SivanとかRob Luftとか、新しめのギター弾きも試しに聴いてますが、スケールの大きさに欠けると言うか…

その渇きを癒やすために?今後もNir Felderはウォッチしてきたいと思います。

ではではm(__)m
oza。
2020年01月29日 20:13
新blogに移行してから、全然コメントのチェックができておらず、申し訳ありませんでした。


新しいギタリストが多く出てきていますが、これぞ!!という人はさすがにそうそうは出てこないのかなと、言う感じです。

でも、新人で良い奏者を見つけようという、そういうモチベーションを持ち続けることも大切だと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。