"Live In Tokyo 91" Barney Wilen
Barney Wilenは、1987年にフランスのIDAレーベルからリリースされた3枚のアルバムを聴いたところが馴れ初めで、当時寺島さんが絶賛していた文章を読んで、たしか六本木にまだあったWAVEまで買いに行ったはず。
本作は、1991年に来日した時のライブ音源ということで、このIDAレーベルでの演奏のことを思い出して、そんな感じの演奏が聴けるのかと買いを決めたもの。
が、買って聴いてからさらに思い出したのが、フランスの3枚が出た後にヴィーナスレコードから邦盤のリリースがいくつかあって、スタンダード中心の甘めの演奏ということで、こちらは買っていなかったのでありました。
もっとも、IDAの中の1枚"La Note Bleu"はスタンダード集だったのだが..
メンツは以下の通り。
Barney Wilen(Ts,Ss)、Olivier Hutman(P)、Gilles Naturel(B)、Peter Gritz(Ds)
演奏曲は、2枚にわたってたっぷりと、全部で14曲
Disc 1
1.Introduction
2.Beautiful Love
3.L ' me Des Poètes
4.Mon Blouson [C'Est Ma Maison]
5.Que Reste-T-Il De Nos Amours ? (11:37)
6.Bésame Mucho (12:22)
Disc 2
1.How Deep Is The Ocean? (12:11)
2.Little Lu (9:47)
3.Old Folks (11:12)
4.Latin Alley (11:40)
5.Bass Blues (8:57)
6.No Problem [From Liaisons Dangereuses] (9:38)
7.Goodbye (5:45)
8.Doxy [Encore] (6:47)
軽快かつキザったらしいフレーズを紡いでいくBarney Wilenのサックス。
Barney Wilen晩年の真骨頂と言えるような演奏と言って良いんでしょう。
演奏している曲としては、上掲のとおり往時のモダンジャズと言えそうなスタンダードを中心とした4ビートの曲が大半を占めるが、バタ臭さとか粘性の濃い雰囲気みたいなものを感じる要素は希薄で、程よく力を抜いたようなさらりとおしゃれに演奏を決めてくるようなイメージ。
さらに、バルネのフランス語でのMC(英語のパートもある)が、また往時のモダンジャズとは異なる雰囲気を作っていく。
そんなこんなが、否が応でもフレンチのエスプリを感じさせる。
ダークな雰囲気ではないが、それでも紫煙漂う薄暗がりの中での演奏な雰囲気が感じられるのは、これもフレンチジャズの真骨頂なのかもしれない。
他のメンバーも、バルネのテイストにしっかりとあった演奏で、しっかりと雰囲気を作っていく。
d2 の3でのアコピソロ、d1の5でのエレピでのソロとかピアノのOlivier Hutmanがなかなか格好良い。
なんだかんだ個人的に、ヴィーナスレーベルからリリースされた作品を買わなかったクチとしては、お約束のdisk1 の6とか、disk2 の6とかが君臨しているところで、ちょっと・。・・と思ってしまうところもあるのですが、これは完全に偏見以外の何者でもありません。
一般的にはこれがあって存在価値が出ているのかもしれません。
それでもベストは、演奏が馴染んでいるBésame Mucho になってしまうんでしょう。
"Live In Tokyo 91" Barney Wilen (https://www.amazon.co.jp/dp/B07TNVWYVB/)
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