"Essence" Michel Camilo

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Michel Camiloのおそらく3作めのBigBand作。
過去の作品は下記2つだが、1994年リリースの"On More Once"と同じ時期のライブを2009年にリリースしたもの。
本作は、2019年6月にリリースされたもので、録音は2018年7月だったよう。

本作は、25枚めのリーダー作で、25年ぶりのBiogBand作という25つくしの作品。

これまでのリーダー作の大半はピアノトリオで、自blogを漁ると、初めて買った "On Fire" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a43226150.html) から5~6枚を紹介しています。
Michel Camiloのサイト(https://www.michelcamilo.com/discography)を見ると、27枚のアルバムが紹介されていて、何をもって25枚と言っているのか、ちょっと??です。
これを眺めると、ごく初期作の大半は買って聴いているがその後は、とびとびだなぁとあらためて確認できます。

BigBandのメンツは以下の通り。
Michel Camilo(P)
Ricky Rodoriguez(B)、Cliff Almond(Ds)、Eliel Lazo(Per,Vo)
Michael Philip Mossman(Tp)、Raul Agras(Tp)、John Walsh(Tp)、Diego Urcola(Tp)、Kali Rodriquez-Pena(Tp)
Antonio Hart(As,Fl)、Sharel Cassity(As,Cl)、Ralph Bowen(Ts,Fl)、
Adam Kolker(Ts,Cl)、Frank Basile(Bs,Bass-Cl)
Michael Dease(Tb)、Steve Davis(Tb)、Jason Jackson(Tb)、David Taylor(Tb)

演奏曲は、すべてMichel Camiloのオリジナルで、BigBandアレンジはMichael Mossmanが担っています。
01. And Sammy Walked In
02. Mongo's Blues Intro
03. Mongo's Blues
04. Liquid Crystal
05. Mano a Mano
06. Just Like You
07. Yes
08. Piece Of Cake
09. On Fire
10. Repercussions
11. Hello & Goodbye

冒頭がお馴染みの曲からスタート。
以降も、半分弱は聴き知った曲が占める。
全部ではないにしても、過去からのリーダー作を聴いている身としては、聴き知った曲を安心して聴ける要素があるのが、ちょっと嬉しいところ。
そして、そのいずれの曲でもMichel Camiloらしいラテン色たっぷりの演奏が堪能できるのもまた嬉しいところ。
この作品が出た頃のインタビュー記事を読むと、自分で演奏している右手がトランペット、左手がサックスとトロンボーンだと言う記述があって、そんなのを読んだ後に聴いていると、たしかにサックス、トロンボーンセクションがパルシブなフレーズを演奏している場面が多いような感じもする。(逆の場面もしっかり存在するが)
Michel Camiloは、大半の曲で、テーマの演奏から、しっかりとしたソロをもとっていて、往時のMichel Camiloファンに対する期待を裏切らない演奏をしっかりと聴かせる。
バンド演奏の合間にもコードをガンガン弾き倒してバッキングをする場面はあるが、よく聴いていると細かいフレーズを弾き続けるようなことはせずに、気力、指の持久力を温存して、ソロのときに速弾きを含めた、自分のアイデンティティを出し切る、要所を抑えた演奏をしている印象。
そういう意味では、Michel CamiloにとってBig Bandというフォーマットは、諸々が良い方向を向いた解決策だったのかもしれない。

ブラスセクションも、キレの良い演奏をしっかりと聴かせ、ラテンタッチの曲、ひいてはMichel Camiloのサウンドとして、期待を裏切らないサウンドを聴かせてくれる。

ベストは、名曲の9曲めにしましょう。

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