"Where Are You" Kevin Hays

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Mark Turnerが入ったトリオ作がリリースされました。
Mark Turnerのアルバムをしばらく見かけないと思っていたら、先日Gary Fosterとの共演作がリリースされ、おぉっと、思ったらちょっと古い録音で。。
そしたら立て続けに本作のリリースなんで、リーダー作を出すよりもサイドで良い仕事をしていこうという意気込みなんじゃないかと勘繰ってます。

メンツは、以下の3人。Kevin Haysは、本年5月のJoe Martinのリーダー作で、Mark Turnerも参加している作品を聴いた後、Nir Felder, Chris Potterなんてメンツとのアルバムが今年リリースされていて、大活躍中といった趣。
Marc Miraltaは、個人的にはOAM Trioというユニットで2010年頃まで数作聴いていたが、それ以降なぜか縁がなくなっている存在。
その最後に出てくるアルバムが、Mark Turnerとの共演作という。。。

Mark Turner(Ts)、Kevin Hays(P)、Marc Miralta(Ds)

曲は、10曲。Kevin Hays、Marc Miraltaのオリジナルが各3曲、Mark Turnerのオリジナルが2曲に、Charlie ParkerとOrnette Colemanという内訳
01. Year of the Snake
02. Pedra d'aigua
03. Donna Lee
04. Elena
05. Please Remember Me
06. Nigeria
07. Where Are You?
08. Addaia
09. Law Years
10. Waltz for Wollesen

リズムとしては、4ビート、ロックぽいビートといろいろ出てくるが、Mark Turnerの淡々とした語り口で、だいぶクールな印象を持つ演奏に仕上がっているか。
その代わりMark Turnerのエモーショナルな演奏がかなり魅力的に響き、Mark Turnerの持ち味はかなり出てきているんじゃないかと思う。

一般に、サックストリオと言うと、ピアノ、ベースを従えたものになるが、ピアノのほうが表現の幅が広いうえに、Kevin Haysの巧さが加わって、さらに表現力がでてきている。
なもんで、サックスがいなくなる場面が多くても、ピアノとドラムのデュオが聴き応えのある相当聴かせる演奏を楽しませてくれる。

よく考えると、山下トリオのフォーマットでもあるわけで、そちらと比較すると、あちらはフリージャズの熱気、狂気、絶叫、咆哮が持ち味になるが、こちらはてんでリリカルかつエモーショナルに心地良い音楽を楽しむことができるという150度くらい違う方向性に仕上げてきている。
6曲め後半の、ピアノとサックスのやりとりはなかなかスリリング、9曲めがOrnette Colemanの名曲で、これをおっとりした雰囲気に仕上げている。

ベストは、4曲めにしましょう。

"Where Are You" Kevin Hays (https://www.amazon.co.jp/dp/B07TJKBZBZ/)

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