永武幹子ソロ 独壇場 (20191118)

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これまで永武さんのライブは何度か見ていますが、トリオが多いのは厳然たる事実として、デュオも大所帯(変則技)も見ているが、ソロは無かったなぁと思ったので、月曜ではありましたがライブに赴いた次第。
独壇場は、月曜の21時からの1セットだけのライブで、若手ミュージシャン数人が順繰りに出演して月1回程度開催されている。

独壇場参戦の最近の記録は、
 浅利史花, 落合康介デュオ (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470158045.html )
 永武幹子, 岩見継吾デュオ (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64575612.html )
だから出席率が良いとはとても言えません
ちなみに最近の永武さんのライブの記録を列挙すると以下の通り。なかなかな濃ゆい内容です!!
 トリオ(レギュラートリオ):http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64693412.html

で、今回のライブですが21時開演のところ約1時間前にお店に到着してすでに7~8人は先客がいたか。
開演時には、15人くらいのお客さんがいたのではないかと思う。
最近の人気ぶりには驚かされる。

ほぼ定刻に演奏をスタート。
低音を効かせた出だしからなかなかシリアスな音楽を繰り出してくる。
5~6分ごとに、速いフレーズのフリー、しっかりとした旋律の曲、ミニマルな左手の演奏を基調とした即興、拳を駆使したノイズに近いもの、不協和音を織り交ぜたもの、もの凄く速い打鍵の連続、等々と、基本的には曲を演奏することはなく、強打鍵多めに即興での演奏をさまざまな表現で演奏し、単音をいくつか鳴らす”つなぎ”をいれながら、次々とつないでいく。

本編は10本の指をずっと全部使い続けているような勢いの音の洪水状態でしかも打鍵が強い。
ちゃんとした曲になっているパートも存在するが、いずれも聴き知ったようなフレーズを1小節も出てくることはなく(少しはあったかも)、その発想力の源泉にもおののく。

実はもう少しさらりと美旋律系で聴かせると予想していたのだがしっかりと裏切られ、かなりヘヴィでアグレッシブな演奏に度肝を抜かれたというのが正直な感想。
種明かしは演奏後にあって、深夜のtwitter投稿でCecil taylorのソロが好きと書いていた。あぁ。。

途中、どういう気持ちで演奏しているんだろうかとぼやっと考えたりもしたが、たぶん絶好調だからこその重い表現だったのではないかと推測している。

ほぼ40分、拍手をするいとまを与えず延々と弾き続け、
アンコールは美旋律な即興を、こちらはさらりと聴かせて演奏は終了。

終わったときの一言「ありがとうございました」を息を切らせながら言ってたのが印象的。
そしてカウンターのところですかさず放った「ビールください」とともに演奏にどれだけパワーを使ったのかを感嘆せずにはいられない。

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