"Blue Dawn -Blue Nights" Wallace Roney

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これまで、自blogでWallace Roneyのリーダー作を紹介していないので、15年くらいWallace Roneyのアルバムは聴いていないことになると思います。
デビューが鮮烈的だったので名前はいつでも頭の片隅にはあったんですが、多数いるキリがないのであえて買わないうちの1人だったということで..。
参加作も出てこなくて、唯一出てきたのがChick Coreaの下記アルバムが見つかりましたが、これも多数の組み合わせで数曲ずつ演奏しているなかの1つで2曲だけの出番です。
本作をなんで買おうと思ったのか、知らない名前が多かったから、くらいしか思い当たらないw
ちなみにKojo Odu Roneyは、Wallace Roneyの甥で15歳くらいらしい

メンツは、2管クインテットを基本に、ドラマーが2人、ギターが3曲で入る構成
Wallace Roney(Tp)、Emilio Modeste(Ts,Ss)、Oscar Williams II(P)、Paul Cuffari(B)
Kojo Odu Roney(Ds:1,4,6,7,8)、Lenny White(Ds:1,2,3,5)、Quintin Zoto(G:1,3,5)

演奏曲は、メンバーであるEmilio Modesteが2曲、Oscar Williams IIが1曲のオリジナルに、Wayne Linsey, enny White, Dave Liebman等々、さらにTOTOにMiles Davisが客演したDon't Stop Me Nowを入れて全部で8曲。
01 Bookendz
02 Why Should There Be Stars
03 Wolfbane
04 New Breed
05 Don’t Stop Me Now
06 In a Dark Room
07 Venus Rising
08 Elliptical

ごりごりの4ビートを基調とした、王道ジャズと言っても良いくらいのサウンドと言い切ってしまいたいところだが、一筋縄ではいかないような新しいサウンドを聴かせる。
低音をしっかり効かせたベースとドラムが効いてるクールな雰囲気と、ちょっと凝ったリズム使い、この表現が正しいか微妙だが、なかなかおしゃれなサウンドに仕上げてきている。
が、ソロになると熱気のこもった演奏へと発展する場面も多々存在しそこが侮れないところ。

Wallace Roneyというと、Miles Davisフォロワーという刷り込みを相変わらず持っていて、どうしてもMiles Davisの演奏を思わず思い浮かべてしまうわけだが、50年代くらいのスタイルを基にしている気はしたが、冴え冴えとしたサウンドを朗々と奏でていてとても好感触な演奏を聴かせる。
比較するもんでもないとは思うが、Miles Davisの醸す陰りのようなものは希薄で、その分少し陽性のサウンドになっている気がする。
もしかしたら本人としてはすでにその域を脱していて、迷惑な話なのかもとも思ってみたり。

Emilio Modesteのサックスは、Wallace Roneyのストイックな演奏と対比するようにけっこうバタ臭いサウンドを聴かせていて、そのギャップが良いバランスでまた楽しい。
Oscar Williams IIのピアノは、あまり前面に出て来ている場面は多くなくバッキングに徹しているような印象。
そういう意味では3曲だけ入っているギターが、ほぼバッキングだけで目立たないんだが、なかなか良い仕事をしていて、個人的にはけっこう耳を持ってかれる。

ベストは、このアルバムの印象を一気に掌握したような1曲めをはずせませんでした。

"Blue Dawn -Blue Nights" Wallace Roney (https://www.amazon.co.jp/dp/B07W5CD93T/)

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