"Throw Of Dice" Rez Abbasi
Rez Abbasiはパキスタン系のギタリストで、これまでに下記4枚のアルバムを紹介しています。
"Continuous Beat" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61759055.html)
"Behind The Vibration" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63832226.html)
"Unfiltered Universe" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64320359.html)
これまでは、Vijay Iyer, Rudresh Mahanthappaを擁したバンドと、全然違うメンツを揃えたバンドと2つの路線で
アルバムを作っているという認識ですが、このアルバムは後者の流れに沿ったものと言うことになります。
Rez Abbasi(G)、Pawan Benjamin(Ts,Ss,Fl)、Jennifer Vincent(B)、Rohan Khrishnamuthy(Per)、Jake Goldbas(Ds)
演奏曲は、以下の通りの19曲。1~3分台の曲が多く含まれます。すべてRez Abbasiのオリジナル。
01 Mystery Rising
02 Hopeful Impressions
03 Love Prevails
04 Facing Truths
05 Amulet And Dagger
06 Blissful Moments
07 Seven Days Until News
08 Duplicity
09 Jugglers
10 Snake Bite
11 Moving Forward
12 Wedding Preparation
13 Morning Of The Wedding
14 Gambling Debt
15 Boy Changes Fate
16 Falsehood
17 Changing Worlds
18 Chase For Liberation
19 True Home
Rohan Khrishnamuthyの鳴らすパーカッションがアフリカ?の民族楽器的な音色で、その雰囲気に全体が支配されているというのが第一印象。
数曲でJennifer Vincentがチェロを弾いて(冒頭曲からなのだが)いて、それが曲調から二胡っぽい雰囲気を醸していて、中東色というか中国色な雰囲気を感じさせる。
Pawan Benjaminがフルートを演奏するとエスニック感が出ているような印象もあるか。
サックスだとコンテンポラリな気配のほうが強い感じなのだが。
ここでのRez Abbasiのギターは、登場頻度はさすがに多めとはなるが、バッキング的な音出しだったり、リフっぽい音出しが多めで、リーダーらしく前面で自己主張してくるような場面はあまり多くない印象。
曲によってはシタールみたいなサウンドを出して、より中東色を色濃く印象付けてくる。
曲の何割かはもう少しコンテンポラリなもの、牧歌的なものとか含まれるが、なかには曲としてはちょいと難解さ(フリーとか現代音楽が過ぎるとかではなく、スルッと入ってこないような曲調というか)を感じる部分もあるかもしれない、そんな作風。
そんなこんなで4曲めが一番エスニック的な仕上がりか。
ぜんぶで約20曲と、短いモチーフ的に曲調が変化していくので、これは曲単位で聴くべきではなく、流れていく曲調の変化を楽しむようなアルバムと言えそう。
そんななんでベストは決めないほうが良いんですが、17曲めの雰囲気はなんだか好き。
"Throw Of Dice" Rez Abbasi https://www.amazon.co.jp/dp/B07WRVJG13/
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