"Fuck Yo Feelings" Robert Glasper

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Robert Glasperの新作は米国では配信だけでのリリース(と宣伝文句にあったん)ですが、日本ではCDとしてのリリースがされています。
あとから調べたら、(https://www.amazon.com/dp/B07YD1CD1Z/ ) 。。。
まだまだ日本では音楽であってもモノとして存在している価値観があるとは言えそうで、話題性のあるアルバムは、今後もこういう棲み分けされたリリースはあると予想されます。

Robert Glasperのアルバムの紹介は、近作がR+R=NOW名義の "Collagically Speaking" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64559766.html)で、2018年の作品。
Robert Glasper名義では、2016年の"ArtScience" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63926958.html)以来なので3年毎のリリースペースということになるよう。

メンツは、ピアノトリオの3人が不変で、そこに曲毎にゲストが入るような構成。
ちゃんと調べていないが、たぶん3人だけのトラックはないじゃないか。
Robert Glasper(P)、Derrick Hodge(B)、Chris Dave(Ds)
Buddy, Denzel Curry, YBN Cordae, Bilal, Herbie Hancock, Mick Jenkins,Yebba, Audra Day, Stacyann Chin, Baby Rose, Rapsody, SIR, Bridget Kelly, Song Bird, Muhsinah, Queen Sheba, Herbie Hancock, Yasiin Bey

演奏曲は以下の通りにてんこ盛り。2~4分程度の曲がずらりと並んでいるような構成。しかし多い..。
01.Intro (feat. Affion Crockett)
02.This Changes Everything (feat. Buddy + Denzel Curry)
03.Gone (feat. YBN Cordae + Bilal + Herbie Hancock)
04.Let Me In (feat. Mick Jenkins)
05.In Case You Forgot
06.Indulging in Such
07.Fuck Yo Feelings (feat. Yebba)YouTube
08.Endangered Black Woman (feat. Andra Day + Staceyann Chin)
09.Expectations (feat. Baby Rose + Rapsody)
10.All I Do (feat. SIR + Bridget Kelly + Song Bird)
11.Aah Woah (feat. Muhsinah + Queen Sheba)
12.I Want You
13.Trade In Bars Yo (feat. Herbie Hancock)
14.DAF Fall Out
15.Sunshine (feat. YBN Cordae)
16.Liquid Swords
17.DAF FTF
18.Treal (feat. Yasiin Bey)
19.Cold

冒頭、演説というか絶叫しているような語りが入るトラックがイントロとして入ることで、メッセージ性が強い印象を感じさせる。
2曲めからは、ラップ、エフェクトをかけたボイス等々で人声を入れつつ、曲の体をなしているというよりかは、リズムパターンをミニマル的に繋げたようなそんなイメージの曲が並ぶ。
後半は、ボイスが前面に出てくる頻度は減って、内省的な小品といった様相の曲が増えてくる。
そんな曲調、ビート感から、個人的感覚としては、広義も含めた従来からのジャズという語から想起されるようなサウンドとはとても言い難いものと感じられる。
これを新しいジャズ、広義のジャズの拡大だと言われれば、この後の歴史を見守りたいという立場をとりたいところ。
Robert GlasperにMiles Davis並みの求心力があれば、いろいろな変化が起こる可能性も考えられるが、はたしてそこまでの力を持っているか。。
そんなサウンドの雰囲気として、これまでのRobert Glasperらしさが感じられる部分は残っているので、過去に彼のサウンドを聴いていれば、そんなサウンドに身を委ねてそれなりに心地良い気分に浸ることはできると思う。
が、個人的に積極的に聴きたいサウンドからはだいぶかけ離れてしまっているなというのが正直な感想。

もっと若い世代と新しい音楽に寛容な人々にはジャズとして受容できるサウンドらしいが..。
Jazz The New Chapterの柳樂君は、2019年のジャズのベストの上位にこの作品を挙げている。

"Fuck Yo Feelings" Robert Glasper (https://www.amazon.co.jp/dp/B07YTD3MPG/)

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