"Beyond The Mirage" 日野皓正

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日野皓正のアルバムを紹介するのは、これが3枚め。
"AFTERSHOCK"で日本の若手ミュージシャンを多く起用していたのですが、本作でも同様に若手ミュージシャンを多く起用しています。
ピアノの石井はずっと一緒であることがわかり、彼への信頼感の尋常無さがうかがえます。
が、最近、高橋佑成に変わったはず。

そんなメンツは、加藤一平、石若駿の参加が個人的には映えます。
日野皓正(Tp)、加藤一平(G)、石井彰(P)、杉本智和(B)、石若駿(Ds)

演奏曲は以下の通り、すべて日野のオリジナルです。
01 Beyond The Mirage
02 Long Branch
03 Shun
04 Rumson Rain
05 Buttonwood
06 Vanish
07 Aftermath
08 Still Be bop
09 Zodiac
10 Oneiros

冒頭、石井の弾く電子オルガンによるビャーっというサウンドに、まずは耳を持ってかれる。
そしてそこに、石若の自由度の高いドラムが絡み込んでくる。
これがあるとないとで雰囲気はだいぶ変わってくると充分に感じられる。
おそらく日野もこのドラムサウンドあってのレギュラーバンドであることを自覚しているんじゃないかと思うが。
その日野も、年齢を考えたら平伏するしかない、渾身のブローで果敢に応戦。
インパクトのある曲は、そんなオルガンにエレベの入った、電気Milesの発展系といえるサウンドにあるのは仕方がない部分もあると思うが、なかには、アコピ、アコベを起用した曲なんてのもあって一筋縄ではいかない。
そして、いずれの曲でも張りのあるサウンドを聴かせている日野のトランペットが冴え冴えしい。
加藤のギターは、個人的感覚としては加藤らしさは存分に発揮されているとは言い難いところも多少なりとも感じられるが、Nouonでもそうだが、新しい側面を見せてきているというのもありそう。
8曲めでは、前面に出て独特のエモーションな演奏を聴かせる。
アルバム全体を通してスローだったりバラードな演奏を排除した、攻め姿勢の強いサウンドで、日野のとんがった格好良い演奏をたっぷりと聴くことができ満足度が高い。

ベストは8曲めにしましょう。
"Beyond The Mirage" 日野皓正 (https://www.amazon.co.jp/dp/B081Q8W21Z/ )

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