"Folky Talkie" 渡辺翔太
渡辺翔太のリーダー作を買うのはこれが2作め。
前作は石若駿参加を見つけて買いを決めていますが、本作も同様の理由と言って良いでしょう。
その前作の紹介は
"Awareness" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64531360.html )
メンツが前作と同じで、石若、若井に、ボーカルの吉田も同様に参加。
渡辺は若井とともに1988年生ということで、若手だけのメンバーでコンスタントにアルバムを作れているということになる。
渡辺翔太(P)、石若駿(Ds)、若井俊也(B)、吉田沙良(Vo:3-5,8,10)
演奏曲は、すべて渡辺のオリジナルで全部で10曲。
01 Aaron (prelude)
02 Prisoner of
03 回想
04 Circle
05 Voice
06 Time-lapse
07 Forbidden Fruits
08 Milhaud
09 Nathaniel
10 君を抱きよせて眠る時
冒頭がピアノソロでの演奏で、タイトルからAaron ParksかAaron Goldbergへのオマージュと思いそうだが、たぶんAaron Choulaiなんじゃないかと思うw
3曲めからの数曲で、スキャット的なボイスが入り、最後の10曲めではしっかりとした歌詞のあるボーカルが入る。
前作ではたしか2曲での起用だったはずなので、渡辺翔太の音楽にとって吉田沙良のボイスの重要性が増してきていると推測できる。
全体的に曲調が歌のないポップスと言っても過言ではないような感じのものが多く、そのために吉田のボイス、ボーカルがランダムに入ってきても違和感のないということなんでしょう。
逆に、ジャジーな雰囲気を感じさせる場面はあまり多くない印象か。
即興と思われるパートも、気合の入った演奏を仕掛けてくるリフなんてのもあるが、なんだか印象が薄いというか..。
ピアノはテーマもソロもメロディアスな旋律を柔らかめなタッチ奏でるスタイルで、程よくハードでダイナミックな演奏も駆使するが、基本は非常に美しい音色で聴かせるところに持ち味がある印象。
エレピを一部では利用して音の変化を作っているが、それが曲調と相まってか格好良くハマっていて好印象。
若井俊也の太めな音色でどっしりとした迫力を聴かせるたおやかなベースが全体のポップな感じに加担している部分もありそう。
ベースの支配力が強いわけではなさそうだが、全体にじわじわ効いているように感じられる。
ここでの石若のドラムは、あまり石若固有のグルーブ感は希薄なオンビート基調のドラミングを披露している場面が多い印象ではあるが、部分部分で石若グルーブをしっかりと発揮する場面があるのでそうもの足りない印象にはなっていないか。
ベストは2曲めにしましょう。
"Folky Talkie" 渡辺翔太 (https://www.amazon.co.jp/dp/B07Z75ZYNT/ )
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