Achim Kirchmair Trio "Going To Ladakh"

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Achim Kirchmairはオーストリアのギタリストで、本人のhpを見ると、本作が7枚めのリーダー作になるようです。
が、これも含めてCDでのリリースってのは、ほぼしていないようで、本作もCDでの販売をしているサイトは見つけられていません。
ということで、本作は自身で購入したわけではなく、音源と合わせて教えていただいた作品であります。

メンツは、ちょっと珍しいチューバの入ったトリオ。
自blogでチューバというと、最近のラージアンサンブル系の大所帯バンドに入っているのを除くと、
高岡大祐が出てくるくらい(他にもいるが)で、個人的にもチューバ入りの小編成ジャズを聴くのはかなり
久しぶりということになる。
そんなメンツは以下の通り。知ってる名前はありません。
Achim Kirchmair(G)、Ali Angerer(Tuba)、Andjelko Stupar(Ds)

演奏曲は以下の通り、詳細は未確認ですが、おそらく全部Achim Kirchmairのオリジナルでしょう。
01 San Pol
02 Naron
03 On The Road
04 Going To Ladakh
05 Waltz Me
06 Do Coracau
07 1301 Miles
08 You Left Us Alone
09 Bilk
10 Love

ギターの入った通常のトリオってのは、ギター、ベース、ドラムの3つの楽器で、ギターが前面に出て主役を張るのが一般的だと思う。
ここで、ベースの代わりにチューバが入ることで、1人主役体制とはならず、2人主役体制になる変化が起きている。
通常通り、ギターが主旋律でチューバが低音の役回りをする場面に加え、ギターもバッキングにまわしてチューバが前面を取る場面、ギターとチューバの掛け合いが主役をなすものと、2人主役が故のさまざまな組み合わせの演奏がおもしろい。
そんな中、控えめに音楽を前へと推し進めていくようなドラムが、なかなか良い味わいになっている。
チューバは、割れた音で迫力を出す奏法なんてのを駆使することが多い印象だが、ここではあまり激しい音は出さずに、
でもメリハリはしっかりつけた音色で、肺活量凄そう。
ギターはセミアコ系の音で、曲によって少し歪みを入れたり、音色を変化させている箇所もあるが、基本は特にエフェクトとかは使わないオーソドックスなもの
曲調としては、コンテンポラリー系から広義のロックぽい感じあたりのゆったりとしたもので、聴いていて難解さのあるものではない。
久々のチューバサウンドは、弦による低音より張りのある低音が演奏の張りをも出していて心地良かった。
これだけの演奏をするとなると、相当な肺活量が必要で体力的にはキツいだろうなというのが普及しない大きな理由なんでしょう。しょうがないです。

ベストは、疾走感のある3曲めで

Achim Kirchmair Trio "Going To Ladakh" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0792NF2NB/ )

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