"Shmutsige Magnaten" Anthony Coleman

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この盤は、先日の新譜会のときに、おもしろいから聴いてみなとお借りしたもの。
Anthony Colemanは知らない名前でしたが、ネットで調べると1955年生の前衛的ピアニストと紹介されていました。

発売レーベルがTzadikということと、サブタイトルに"(Coleman Plays Geburtig"と書かれていまして、
ちょっと調べてみますと英語の解説で、ポーランドのMordechai Geburtigという作曲家の作品を元にしてはいるようで、ユダヤ文化祭の一環として深夜にクラクフ(Krakow)の教会(synagogue)で演奏されたものとのことです。

演者はピアニスト1人だけ。
Anthony Coleman(P)

演奏曲は、上記の通りMordechai Geburtigの曲を元にしているようですが、すべてAnthony Colemanのオリジナルでとしてよさそうです。
01. Mayn Yovl
02. Mamenyu an Eytse
03. Kartofl Zup mit Shvamen
04. Avreml der Marvikher
05. Oy Briderl, l'Chaim
06. S'brent
07. Hulyet, Hulyet, Kinderlekh
08. S'Izs Gut
09. Minuten Fun Betochen/Minuten Fun Yiesh
10. Oreme Shnayderlekh

シリアスなフレーズからヒステリックなガツンとしたフレーズを挟み込む1曲め。
ピアノ線に何か挟んだか、響きをかなり排した音で中東っぽいフレーズを弾むように演奏するところからフリー調に崩してくる2曲め。
ストライドっぽい演奏を聴かせる4曲め。
これもピアノの中に何か入れているような音で鍵盤をぶっ叩き、ピアノ線を直接弾き、それでしっかりと音楽として成り立っている6曲め。
ゲンコツで奏でるロシア民謡といった趣の7曲め。
いろいろと雰囲気の異なる演奏が並ぶが、強タッチ、鍵を叩く、叩きまくるという共通項があるからか、あまり散漫な印象にはなっていないか。
ちょっと驚くくらいに強い抑揚のある演奏がたくさん繰り広げられる。
ここまで感情の起伏が激しく変化するのはなかなか聴けないと思う

教会でのライブなので、ホールトーンも効果的だし、曲間にちょっとなにかやっているのか、話し声と笑いが入るようなユーモラスな場面も収録されている。
が、演奏もある意味ユーモラスと言えるか。

ベストは透徹とした凄みを感じる5曲めにします。

"Shmutsige Magnaten" Anthony Coleman (https://www.amazon.co.jp/dp/B000CQNVVC/ )

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