"Here Be Dragons" Oded Tzur
Oded Tzurのリーダー作を買うのは、これが2枚め。
"Transrators Note" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64103048.html )
前作は、本文にもあるとおり、完全にメンツ買いで、Shai Maestro, Petros Klampanis, Ziv Ravitzという面々でありmさいた。
本作も、そういう意味ではメンツ買いということになると思います。
そんなメンツが、Nitai Hershkovits, Petros Klampanis, Johnathan Blake。
Nitai Hershkovitsは、参加作も含めできるだけ全部買いたい、聴きたいピアニストで、アルバムによって演奏スタイルが違うことが多いので、冷や冷や+ワクワクで聴いている。
Petros Klampanisは、Oded Tzurの前作にもいた人で、過去にリーダー作を2枚聴いています。
"Minor Dispute" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63589531.html )
Johnathan Blakeは昨年リーダー作"Trion" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64822864.html )を聴いています。
というメンツは以下の通り。
Oded Tzur(Ts)、Nitai Hershkovits(P)、Petros Klampanis(B)、Johnathan Blake(Ds)
演奏曲は、最後の曲以外がOded Tzurのオリジナル。最後の曲は、プレスリーの"好きにならずにいられない"
01 Here Be Dragons
02 To Hold Your Hand
03 20 Years
04 Miniature 1
05 Miniature 2
06 Miniature 3
07 The Dream
08 Can't Help Falling In Love
深淵、静謐、ヒリヒリ、緊張感、丁寧に丁寧に紡がれるような、そんな演奏。
アルバムコンセプトとしては、バラード集として作られたと思われる。
が、美麗な演奏と言うことに異論はないが、バラード的な癒しとか優しい気分と言うよりは、上記の通り、より緊張感のある演奏と感じられ、個人的な感想ではあるがバラード集とは言い難いような感じ。
Oded Tzurのサックスが、緊張感を感じさせるような慎重に音出しをしているのをひしひしと感じるようなそんなサウンドで、良くも悪くもある種の重さすら感じさせるようなそんな印象を持つ。
個人的には、聴きどころの一つとして期待感の高かったNitai Hershkovitsのピアノ。
これまでのリーダー作のような電気処理したサウンドもなく、ただ速めのテンポでのがっつりとした演奏とはならないところが、ちと残念。
ただし、とんがった演奏ではなく、しっとりとした雰囲気のなかで美を意識したような繊細な音出しに徹したピアノが聴けることが、ある意味貴重でもあり価値のある演奏とさせる言えると思う。
Petros Klampanisの程よく訥々としたベースが静謐、内向的な印象を助長しているような演奏と感じられる。
Johnathan Blakeに関しては、もうちょっとアップテンポな曲でのドラミングを聴きたいところだが、ここで聴かれる神経を尖らせて慎重に音出しするような、そんな演奏でも上手さを見せるのは、実力者ならでは。
最後の曲で、聴き知ったフレーズに緊張が解かれるような優しさに溢れた気分になって癒される。
ベストは、ちょっと派手めな演奏の7曲めにさせていただきます。
"Here Be Dragons" Oded Tzur (https://www.amazon.co.jp/dp/B082PQ9T3X/ )
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