"Kingmaker" Joel Ross

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昨年(2019年)11月に来日、BlueNote東京でのライブがネット上で話題になっていたビブラフォン奏者、Joel Rossのアルバムを聴く機会を得たのでその紹介です。
Joel Rossの参加作を自blogで探すと最近の下記2作が引っかかりました。
In Commonは、In Common2(https://www.amazon.co.jp/dp/B084QL34C1/ )という新作が準備されていますが、残念ながらJoel Rossは入っていないようです。

本作のメンツは以下の通り。1曲だけGretchen Parlatのボーカルが入ります。
Joel Ross(Vib)、Immanuel Wilkins(As)、Jeremy Corren(P)、Benjamin Tiberio(B)、Jeremy Dutton(Ds)、Gretchen Parlat(Vo:8)

演奏曲は、2曲(5:Benjamin Tiberio、10:Jeremy Dutton)を除いてJoel Rossのオリジナル。
1.Touched By An Angel
2.Prince Lynn's Twin
3.The Grand Struggle Against Fear
4.III Relations
5.Is It Love That Inspires You?
6.Interlude (Bass Solo)
7.KingMaker
8.Freda's Disposition
9.With Whom Do You Learn Trust?
10.Grey
11.Yana
12.It's Already Too Late

ちょっと凝ったパターンのリズムを、ドラムが細かいスティック捌きでの小刻みなドラミングで聴かせていて、これが全体の雰囲気を形成しているのは間違いのないところ。
構成としては、大半が、ピアノトリオをリズム隊として後方に配して、サックスとビブラフォンとが、テーマからアドリブからと前面での演奏を担うような感じ。
8曲めで、Gretchen Parlatのボーカルが入るが、これがアンニュイな気配を醸した歌声で、なかなか良い雰囲気。
11曲めではサックスが登場せず、ピアノをフィーチャーしていて、ここではピアノソロにビブラフォンとの掛け合いと、ここまでとは雰囲気の異なるサウンドを披露。
全体的に曲調としてはRobert Glasper的な部分をフレーバー的には感じられるが、もっとしなやかに洗練されたようなものが大半で、一部アバンギャルドな気配を入れてくる部分も。7曲めとか、けっこう攻めてるか。
リーダーがビブラフォンであることから、ビブラフォンの音色の雰囲気に良くあった曲調を選んでいるような印象。

ベストは4曲めにします。

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