"Four Forty One" Will Vinson

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Will Vinsonの2年ぶりの新作で良いはずです。
前作は2018年の下記。

このアルバムは複数のユニットでの演奏を数曲ずつ集めたアルバムで、その詳細は以下の通り。
アルバムタイトルが「441」なのだが、これがこのメンバー構成に由来するんじゃないかと勘繰ったが良く判らなかった..。
Will Vinson(As)
[1,2,11] Sullivan Fortner(P)、Matt Brewer(B)、Obed Calvaire(Ds)
[3,4] Tigran Hamasyan(P)、Matt Penman(B)、Billy Hart(Ds)
[5,6] Gerald Clayton(P)、Matt Brewer(B)、Clarence Penn(Ds)
[7,8] Fred Hersch(P)、Rick Rosato(B)、Jochen Rueckert(Ds)
[9] Gonzalo Rubalcaba(P)
[10] Gonzalo Rubalcaba(P)、Larry Grenadier(B)、Eric Harland(Ds)

演奏曲は、Will Vinsonのオリジナルが6曲、Edward Heyman, Keith Jarrett, Thelonious Monk, Bryn Roberts, John Lewisを各1曲ずつで全部で11曲。
1. Boogaloo
2. Love Letters
3. Banal Street
4. Oasis
5. I am James Bond
6. Cherry Time
7. Work
8. KW
9. The Way to You
10. That Happened
11. Milestones
上述の通り、曲によってメンツが変わり、ベース、ドラムが入るカルテットが大半を占めるようにみえるが、実際の演奏では、おおよその印象としてピアノとサックスとの掛け合いになっている部分が多く、そこに耳を持っていかれることが大半を占める。
このアルバムのおもしろさは、サックスとピアノの掛け合いにこそあることをしっかりと確信させる。
アルバムジャケットも1本のサックスに複数のピアノを書いたものなので、まさにそういう演奏を聴かせようという意図があったことをうかがわせる。
曲調はバラードというかスローめで抒情的なものを並べており、Will VinsonのサックスがときにWayne Shorterを彷彿(過剰評価)とさせるような朗々としながら深みを感じさせるようなフレーズを奏でれば、ピアノが表情豊かに主張をしてくるような演奏を絡ませてくる。
そして、当然だがそれぞれのピアニストがそれぞれの個性をしっかりと出した演奏をたっぷりと聴かせ、その表現の違いを楽しむべきとは思うが、あまり意識せずにサックスとピアノの演奏に集中するほうが良い気がする。

Will Vinsonがこういう演奏でこれだけの作品を作るってのは、今後の作風も変化してくるんじゃないかと思うくらい。
なんというか、しっとりと深く体に沁み込んでくるようなそんな演奏を楽しませてくれる。

ベストは、9曲めにします。

"Four Forty One" Will Vinson (https://www.amazon.co.jp/dp/B082BXSX62/ )

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