"Balance Point" Art Hirahara
Art Hiraharaのリーダー作を聴くのはこれが5作め。これまでリーダーで買っているというよりメンツで買っている要素が強めでした。
前作、前々作が、Donny McCaslin, Linda Oh, Rudy Roystonというメンツなので、それも致し方ないところはあるでしょう。
本作はそういう意味ではこれまでよりはメンツでは劣るかもしれないが、これまで続けて聴いてきているので、そのままmあまり迷わず購入を決めています。
ちなみに過去のアルバム紹介は以下の通り。
"Noble Path"(https://www.amazon.co.jp/dp/B004KNO86U/)
"Libations & Meditations"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63043011.html)
"Central Line"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64039126.html)
"Sunward Bound"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64658345.html)
メンツの詳細は。。。
女性サックス奏者のMelissa AldanaはJure Puklのアルバムで聴いている人。
Joe MartinはGilad Hekselman等複数のアルバムで聴いているが、リーダー作 "Etoilee" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64807361.html )もあります。
Art Hirahara(P)、Joe Martin(B)、Rudy Royston(Ds)、Melissa Aldana(Ts)
演奏曲は、9曲めのDuke Ellingtonを除いてすべてArt Hiraharaのオリジナル。
01 Mother’s Song
02 Blessed Son, Mr. Weston
03 Balance Point
04 Ascent
05 G-Yokoso
06 Had It Happened
07 A Fine Line Between
08 Like Water
09 Prelude To A Kiss (D. Ellington)
10 Fulcrum
11 The Path Of The Gods
12 Homage
13 Lament For The Fallen
リリカルなソロでのピアノ演奏がオープニング。
小気味良いドラムによるリズムから先導された2曲めからが本編。
とはいえ、冒頭はおおらかな8ビートによるピアノトリオでの演奏。
ただ、ここでのベースソロにピアノが絡む展開がまた格好良くて、美麗からの格好良い演奏と、一気に引き込まれる。
3曲めで、ダイナミックなRudy Roystoinのドラムに野太いちょっとクセのあるMelissa Aldanaの粗い音色でのサックスが登場してくる。
1, 9曲めがピアノソロ、2, 4, 6, 7, 10, 12がピアノトリオで奏でられ、残りの5曲にサックスが入ってくる。
ピアノソロでは耽美な印象のしっとりした演奏を聴かせ、ピアノトリオが繊細で美麗でありながら程よく緊張感の感じられる演奏で、サックスが入ると多少なりとも荒々しさが出てくると。
これが良い塩梅に混ぜこぜに出てくることで、展開のおもしろさと次は何がでてくるかというワクワク感とに繋がっている印象。
7,10曲めはトリオでの無調のフリーっぽい演奏、11,13曲めはサックスが入るがバラードな演奏を入れてきてちょっと批評をついてくる部分も含め、曲ごとにけっこう雰囲気を変えてくる。
が、散漫な雰囲気にはならないのはピアノがしっかりと、アイデンティティを主張した演奏だからではなかろうか。
これまでのアルバムは、もっと甘さを感じる印象が強かったが、ここでは程よい緊張感も含めて甘いだけではない演奏を聴かせており、個人的満足度は高く、これまで聴いた Art Hiraharaの作品の中では一番良い作品だと思っている。
ベストは、2曲め
"Balance Point" Art Hirahara (https://www.amazon.co.jp/dp/B085RM9QHV/ )
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