"Big Vicious "Avishai Cohen
2014年に活動を開始しているBig Viciousというバンドの(たぶん)初リーダー作。
メンツを見ればわかる通り、知ってる名前は多くはないがイスラエル系の名前が並ぶ。
初リーダー作をECMからリリースできるのは凄いことだと思います。
それが故に、Avishai Cohenの名前をあたまに持ってきているんだとは思うが..。
かくいうメンツは上述の通り知らない人だらけではありますが、唯一 Ziv Ravitzだけ、リーダー作 "No Man Is An Island"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64829581.html) を含め複数のアルバムで聴いています。
Avishai Cohen(Tp,Syn)、Uzi Ramirez(G)、Yonathan Albalak(G, B)、Aviv Cohen(Ds)、Ziv Ravitz(Ds)
演奏曲は、Avishai Cohenのオリジナルが4曲、Big Viciousの共作が5曲、ベートーベン、Massive Attackで全部で11曲。
01 Honey Fountain
02 Hidden Chamber
03 King Kutner
04 Moonlight Sonata
05 Fractals
06 Teardrop
07 The Things You Tell Me
08 This Time It’s Different
09 Teno Neno
10 The Cow & The Calf
11 Intent
ゆったりめのテンポで奏でられる非4ビートの演奏が中心で、ギターとシンセによる電気的なサウンドをバックグラウンドに、朗々と奏でられるトランペットが清々しい。
トランペットが冴え冴えしく鳴り響くが、Avishai Cohenの冴え冴えとした音色はたっぷり楽しめるが、がっつりとした演奏を楽しむという感じではないか。
同様に、ギター、ベース等も個人のアドリブを堪能するというよりは、音楽全体としてのサウンドを体を委ねて聴くような、そんな体裁のサウンド。
そういう意味でも、ジャズっぽいというよりは、ロックとか、それより新しいジャンルの音楽といった風情。
この手の音楽を ECM で出しているミュージシャンというと、 Nils Petter Molvaer とかを思い出す。最近彼の音楽は全然縁ありません。
3曲めがロック調で、個人的な感覚では、PMGの roots of coincidence から粗荒さを抜いたような印象。
打って変わって4曲めはもの悲しい雰囲気の静かな曲。ベートーベンのピアノソナタ月光をほぼストレートに演奏。トランペットが右手でギターが左手みたいな感じの展開。
ここにこの曲を入れてくる理由が微妙に?ではあるが、多ジャンルに言及しているアピールなのか?
Avishai Cohenのトランペットの冴え冴えとした音色はかなり映えている。
この2曲が良いアクセントにはなっていると思うが、けっこうな異彩をも放っているかなぁ。
ベストは8曲め
"Avishai Cohen Big Vicious "Avishai Cohen (https://www.amazon.co.jp/dp/B084DHD3L8/ )
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