Ondrej Stveracek "Space Project"

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Ondrej Stveracekというチェコのサックス奏者で、中年音楽狂氏が、”ジャズ界のおんどれ君”と愛称をつけて呼ぶくらいに愛聴している記事を多く読んでいて、いつかは聴いてみようと思っていたところ、たまたま本作を通販サイトでみつけて、価格と抱き合わせの関係なんかもあって買いを決めたもの。
中年音楽狂さんの本作紹介は、こちら(https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2020/03/post-fbb7a8.html )

メンツはどうやら前作までと変わってはいないようで以下の通り。ドラムのGene Jacksonは判るが、他は。。。
Ondrej Stveracek(Ts,Ss)、Klaudius Kovac(P)、Tomas Baros(B)、Gene Jackson(Ds)
Radek Nemejc(Per:2,3,4,5)

演奏曲は、すべてOndrej Stveracekのオリジナルで全部で6曲。
1. What's Outside
2. The Ferret
3. To Nowhere and Back
4. The Form
5. For My Girls
6. After The Storm

これまでは、John Coltran もかくやというゴリゴリのアコースティックサウンドが持ち味で聴きどころらしかったが、本作はのっけから電子音ばりにエフェクトをかけたサックスのサウンドに、エレベでの軽快なフレーズという出だしで、ちょっと驚いた。
以降の曲でもOndrej Stveracekのサックスは、エフェクトの量の多少はあれど電気処理を施したサウンドで、3曲めのスローな曲も含めて、それでも熱さを感じさせドスのしっかり効かせた 見事に聴き応えのあるサウンドを披露する。
電気的エフェクトはかかっているが、まさにここが聴きどころといった趣のゴッツリとした演奏を聴かせる。

Klaudius Kovac のピアノも、アコピ、エレピを使い分けながら、Herbie Hancockばりに アウトするフレーズを駆使しながらメロディアスな演奏を繰り広げていて好感触。
とくにスローな3曲めでの美麗フレーズでのソロは、ちょっと違う一面がみえ懐の広さを感じさせる
エレクトリックサウンドということで、曲調としてはハイビートの曲が多く並ぶが、Fusionと言うほどには爽やか系のサウンドではなく、昨今のコンテンポラリジャズほどには難解でもなくといった塩梅の曲が多め。
ベースが高音域をあまり多用していないのも個人的には好感触で、Fusion臭を払拭している一因か。
手数多めにしなやかなドラムを聴かせるGene Jackson、タイトでありながら重量感のあるサウンドで、そんなリズム隊の活躍が映える
後半2曲が Smooth Jazzに拠っているが、このへんの曲は個人的にはさらりと聞き流す感じでいいかなw ではあるがサックスはしなやかに良い味を出している..。(のは本来的にはらしくないのか!?)
全体としては曲調にあわせて、サックスとピアノの演奏にしっかりと耳のフォーカスを当てていくような聴き方が吉なんでしょう。
前作までのアコースティックな演奏もちょっと聴いてみたいが、趣向の変わった本作のサウンドもこれはこれで満足度高く聴きました。

ベストは、2曲めで

Ondrej Stveracek "Space Project" (https://www.amazon.co.jp//dp/B085RZ67H8/ )

この記事へのコメント

2020年06月07日 10:31
oza。さん,こんにちは。ご紹介ありがとうございます。

おんどれ君を初めて聞いた時のインパクトは今でも忘れられません。Coltrane愛が明確なんですが,この新機軸には驚きました。でも次作は元の路線に戻ると思います(笑)。

本作でのエレクトリック路線は思いのほかいけていて,なんでもできるねぇって感心してました。まぁそれでもこれはあくまでもスペシャル・プロジェクトでしょうが,お気に召したのは幸いでした。
oza。
2020年06月07日 19:27
中年音楽狂さん

さっそく、ちょっと前のライブ盤を発注しました!

>本作でのエレクトリック路線は思いのほかいけていて,
今回初聴きなので評価が的確でない気はしますが、アコースティックではどれだけ凄いんだ!?と、俄然興味はわきました!!

2020年06月09日 10:01
ライブ盤は是非ボリュームを上げてお聴き下さい。そうでないと感じが出ません(笑)。