"Nosso Brasil" Danilo Brito / Andre Mehmari

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本作は、Andre Mehmariが入っていることで買いを決めたもの。
Andre Mehmariの作品には、新世代のブラジル音楽を聴いている流れから入っているが、ここのところ彼の作品を聴いてブラジル音楽らしさを感じることは希薄になっているような気もしている。
ましてや、ジャズともなると。。
前作は、街角クラブをテーマにした作品で約1年前に紹介しています。
 "Na Esquina Do Clube Com O Sol Na Cabeca" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/468894226.html )
ここでのメンツは、Danilo Britoという若きバンドリン奏者(1985生らしい)とのデュオで、ショーロばかりを演奏している。ちなみにAndre Mehmariは1977生

メンツはこの2人だけ。
Andre Mehmari(P)、Danilo Brito(Bandolim)

演奏曲は、古いショーロの曲を中心にしたものらしく、そこにAndre Mehmariが2曲、Danilo Britoが1曲のオリジナルを提供して全部で14曲
1. Batuque (Ernesto Nazareth)
2. Três Estrelinhas (Anacleto de Medeiros)
3. Amoroso (Garoto)
4. Faceira (Ernesto Nazareth)
5. Sedutor (Pixinguinha)
6. Choro pro Guinga (André Mehmari)
7. Bordões ao Luar(Tia Amélia)
8. Branca (Zequinha de Abreu)
9. Os Boêmios (Anacleto de Medeiros)
10. Impermanências (André Mehmari)
11. Floraux (Ernesto Nazareth)
12. Terna Saudade (Anacleto de Medeiros)
13. No Meu Tempo era Assim (Rossini Ferreira)
14. Tica (Danilo Brito)

クラシックとワールドミュージックとジャズとを融合して、これでもかってくらいの美旋律をドラムレスで聴かせるような音楽で、広い意味ではこんな音楽でひとつジャンルができていそうな気もしているが。
忘れた頃にってくらいの頻度ではあるが、個人的にこの類の音楽に出会うことがたまにある。
実は積極的に聴こうと思っているスタイルの音楽でもないが、聴き始めるとその美麗なサウンドに聴き惚れていることが多い。
そしてたいがいの場合、いわゆる音楽好きの面々が絶賛していることが多かったりもするので、玄人受けするようなサウンドではあるんだと思っている。

本作はショーロ集らしいので、本来的にはブラジル音楽だなぁと思わせる何かを感じとりたいのだがか、ショーロ自体を自分が理解していないのもありそうだが、どうにもブラジルっぽさも感じにくい。
もっとも古典ショーロということらしいので、それが原因かもしれない。
この作品は、ピアノの主張が強めの曲だとクラシック寄り、ギター(じゃなくてバンドリン)が主導権を握るとフォルクローレぽい印象の音楽に変化するような印象。
それぞれの奏者の特性もありそうだが、もしかしたら、ピアノのショーロとバンドリンのショーロによる曲の選び方みたいなものも要因としてあるのかもしれない。
ピアノもバンドリンも、おそらくものすごいテクニックに裏打ちされたような演奏を繰り広げていると思われるが、さらりと聴かせるように演奏していてそこも侮れないところ。
しかし、Andre Mehmariのピアノの美しさは、ここでも筆舌に尽くしがたいものがある。
録音も、ピアノにそこはかとなくホールトーンを含んだような音で、そこもクラシックを感じる要因になっていそう。

ベストは、12曲め

"Nosso Brasil" Danilo Brito / Andre Mehmari (https://www.amazon.co.jp/dp/B087ND3KJB/ )

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