"We Speak Luniwaz" Scott Kinsey
Scott Kinseyを自blogで検索すると3枚アルバムが引っかかります。
1枚は、2019年のKurt Rosenwinkelと共演している1992年の演奏を収めた発掘盤、"Do It"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470101116.html )で、これはKurt Rosenwinkel買いで、このとき過去に聴いている作品があることは未チェックでした。
その前が、2011年のHuman Element1の"Human Element"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60587229.html )で、もう1枚はこのユニット入りのコンピレーション(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60741090.html )。
ここに記載してある通り、Scott KinseyはJoe Zawinulフリークだったようで("Do It"ではそんな印象は持たなかったが..)、ここではJoe Zawinul(Weather Report, Syndicate)ゆかりの曲を多く取り上げているため、どこまでのめり込んだ演奏が聴けるか期待できるというのが購入動機。
メンツは、下記4人を中心に曲毎にゲストが入ってくるが、細かいところは割愛。
Scott Kinsey(Kbd)、Katisse Buckingham(Ts,Ss,Fl)、Hadrien Feraud(B)、Gergo Borlai(Ds)
演奏曲は、Scott Kinseyの曲が2曲(4,7)、Wayne Shorterが1曲(8)、残りがJoe Zawinulということで、本当にZawinul色一色といえる構成。
01 The Harvest
02 Victims Of The Groove
03 Cucumber Slumber/World Citizen
04 We Speak Luniwaz
05 Black Market
06 Fast City
07 Running The Dara Down
08 Port Of Entry
09 Between The Thighs
10 Where The Moon Goes
演奏曲をみてわかる通り、Weather Report、Joe Zawinlの音楽を選んで演奏しているわけだが、演奏自体も、多くの曲ではかなり見事に再現していて、感動を覚えるくらい。
サウンドの厚み、キーボードの音色、個性的な和音の使い方、コーラスの雰囲気、ベースのフレーズ、そして演奏のノリとか勢いとかを含めた全体の雰囲気等々よく再現されている。
極端なことを言うと、これなら元曲を聴いたほうが良いんじゃないかと感じるくらい。
しっかりと元曲と聴き比べると、いろいろと違いとか、こっちの演奏の聴きどころとか明瞭に見えてくる可能性は高いが、それにしても気持ち良いくらいにJoe Zawinilの演奏と違和感を感じない。
3曲めが、ラップを使ったJoe Zaeinul賛歌のような気配の歌詞(セリフ)の曲、
5曲めは、冒頭だいぶテンポを落としたテーマから始まり途中で通常テンポに移行するオリジナルから距離を置いた展開の演奏だがこれがまた格好良い。
この2曲がJoe Zawinulな雰囲気から大きく離れるが、だいぶ印象が異なるこれらのサウンドが流れてくるとちょっとのけぞる。
これをどう評価するかが大きな岐路になってくる予感
おもにWeather Reportの曲では、サックスが登場するが、テーマを元曲通りに奏でてて違和感はないのだが、よく聴いてると音色とかWayne Shorterとは違うなぁと実感するが、これまた違和感は感じない。
また数曲(1,8とか)では、フルートを起用していて、これはオリジナルZawinulではなかった展開なはずで、これはちょっと新鮮。
ベストは、8曲めにします。
"We Speak Luniwaz" Scott Kinsey (https://www.amazon.co.jp/dp/B07WSKMTSP/ )
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