"Night In Brazil" Joao Gilberto

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2019年7月に鬼籍に入ったJoao Gilbertoの2008年のブラジルでのライブの放送音源をCD化したもの。
いつ頃までライブを続けていたのか不明(映画「ジョアンジルベルトを探して」の予告編では2008年と言っている)だが、より最後に近いライブ音源であるとは言えそう。
ちなみに、来日公演は2003年、2004年、2006年(CDは2003年の演奏、映像は2006年の演奏)

ここのところ、多くの放送音源を基にアルバムとしてリリースしているHi-Hatレーベルからのリリース。
個人的には、Pat Methny Groupの音源をいくつか入手していますが、他にWeather Report, Miles Davisほか、60年代70年代くらいの音源を多くCD化しています。

個人的にJoao Gilbertoのライブ音源は、複数枚所有していますが、紹介しているのは下記2枚。他に"In Tokyo"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0001M65DI/)を所有しています。
 "Live At The 19th Montreux Jazz Festival"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a46074879.html)

晩年はソロの演奏だけでしょう。メンツクレジットは1人だけ
Joao Gilberto(Vo,G)

演奏曲は、2枚のディスクにてんこ盛りの29曲!
Disk1
01 十字架のもとで Aos Pes Da Santa Cruz
02 トレセ・デ・オロ Treze De Ouro
03 波 Wave
04 十字路 Caminhos Cruzados
05 ドラリッシ Dralice
06 愛と微笑みと花 O Amor, O Sorriso E A Flor
07 プレコンセイト Preconceito
08 オール・オブ・ミー Disse Alguem
09 鵞鳥のサンバ O Pato
10 コルコヴァ ド Corcovado
11 ジェット機のサンバ Samba Do Aviao
12 リジア Ligia
13 君はもうバイーアに Voce Ja Foi A Bahia
14 ホーザ・モレーナ Rosa Morena
15 黄金の口のモレーナ Morena Boca De Ouro
Disk2
01 デサフィナード Desafinado
02 夏のうた Estate
03 ナォン・ヴォウ・プラ・カーザ Nao Vou Pra Casa
04 想いあふれて Chega De Saudade
05 イスト・アキ・オ・キ・エー ? Ist Aqui O Que E?
06 外では雨が Chove La Fora
07 エッセ・ノッソ・オラール Esse Nosso Olhar
08 懐かしいバイアー Bahia Com H
09 罪の色 Da Cor Do Pecado
10 白と黒のポートレート Retrato Em Branco E Preto
11 ワン・ノート・サンバ Samba De Uma Nota So
12 グアシラ Guacyra
13 トゥ・ハート・マイ・ハート Pra Machucar Meu Coracao
14 イパネマの娘 Garola De Ipanema

録音は、観客席から行っているかのような、ごく近くの声とか咳とか椅子の軋み音とか、いろいろな音が聴こえてきて、ブートと見まがうようなもので、ちょっと驚く。
が、そのぶん拍手とか歓声とかもたっぷりと聴こえてきて、臨場感もしっかりと感じられる。
それでいて、声とギターはとても明瞭に聞こえるので、ブート紛いでも文句はない。
無いと言いたいが、文句を言いたいところもあって、時折、電気的ノイズとか、音が揺れる場面があって、そこが玉に瑕。
本作も東京ライブもそうだが、特に晩年がそうなんだと思うが、Joao Gilbertoのソロ作を聴いていると、歌とギターが合っているのかいないのか、裏拍からの歌いだしとか、拍を越えた歌い方をしていて、それが味ではあるのだが、それでもちょっと違和感というか気持ち悪さも感じてしまう。
日本でいうところの演歌の溜めとか、炭坑節の変拍子とか、特有の節回しのブラジル版なんだとは思うが..。

ざっとだが、東京のライブと聴き比べてみると、東京のほうが全体にしっとりと落ち着いた雰囲気を感じさせるような演奏で、こっち(ブラジル)のほうが、気分はノッていたんじゃないかと感じられる。 
声は東京のほうがしっかり出ていたかも、こっちの低音域の声がちょっとツラそうな感じに聞こえる。
地元と地球の反対側に移動してのライブでもあり、東京の聴衆は大いに気に行ってくれていたらしいから、できるだけベストの体調になるよう注意をしてくれていたんだと思う。
ただ、さすがに日本でのライブより饒舌に語っていて、東京はお互いに言葉が通じないところを気配で補っていたんだろうなと、なんとなく感じる。

"Night In Brazil" Joao Gilberto (https://www.amazon.co.jp/dp/B088KS7RXH/ )

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