"While Looking Up" Jimmy Greene

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Jimmy Greeneのリーダー作は、2007年にCriss Crossレーベルからリリースされた"Gifts Aad Gives"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a52684969.html )と、Live At Smallsレーベルから2011年にリリースされた"Live At Smalls"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60177467.html )とを聴いていますが、前者は安売りされていたのを買ってきたもの、後者はレーベル買いしているうちの1枚なんで、Jimmy Greeneという名前になんらかの思い入れがあるわけでもなく..。
本作も、Jimmy Greeneの名前というよりは、Aaron Goldberg, Lage Lund, Reuben Rogers, Kendrick Scottというメンツが購入動機といっても過言ではない状況で..。

メンツは上掲の面々にStefon Harrisが2曲で入りますがゲスト扱いで良いと思います。
Jimmy Greene(Ss:1,4,7 Ts:2,3,5,6,8-10 Fl,Cl,BCl:4)
Aaron Goldberg(P:1,3,4,6-10 Fender Rhodes:2)、Lage Lund(G:1-4, 6-9)、Reuben Rogers(B)、Kendrick Scott(Ds)
Stefon Harris(Marimba:3 Vib:4)

演奏曲は、2曲(1,5)を除いてJimmy Greeneのオリジナルが並びます。
1.So In Love
2.No Words
3.Always There
4.April 4th
5.Good Morning Heartache
6.Overreaction
7.Steadfast
8.I Wanna Dance With Somebody (Who Loves Me)
9.While Looking Up
10.Simple

ちょっとボサノバを想起させるような、ゆったりめで軽快なリズムの1曲め。
ピアノがオルガンに変わって、スパイ映画的な怪しさを感じさせるような2曲め。
4曲めがフルート、ソプラノサックス、クラリネット、バスクラを多重録音で奏でる木管アンサンブルを冒頭に聴かせ、後半ではビブラフォンのソロが入ってくる爽やかな雰囲気を聴かせる。
5曲めがトリオでの演奏で、シンプルにバラードをしっとりと聴かせる。
全体に録音もありそうだが、そうテンションの高い演奏という感じではないか。
イメージとしては、がっつり聴かせるというよりはゆったりと聴かせるような作風が大半を占める。
多少朴訥とした雰囲気を感じさせるサックスが、曲調と合わさって良い味わいのサウンドを聴かせる。
何度も聴いていると、このサウンドの味わいのようなものが心地良くなってきているのが、ある種の実力というか個性を持っていることを感じさせる。
Aaron Goldbergのピアノの流れるように流暢でありながらひとクセ感じさせるサウンドが秀逸。
それに負けないくらいクセを感じさせるフレーズを繰り出してくるLage Lundのギターも負けてはいない。
ただ出番はちょっと少なめなところが玉に瑕。
Kendrick Scottは曲調から、そう叩きまくる場面はないが、抑制を効かせた中でも力感を感じさせるドラミングは、Kendrick Scottならではのものがあるとは思う。
3曲め後半では、音数の多いアグレッシブなバッキング(というかソロ)を聴かせ、ここが最大の見せ場になっている。

ベストは、4曲めでしょう。

"While Looking Up" Jimmy Greene (https://www.amazon.co.jp/dp/B083XTC5ZN/ )

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