“Love Is A Temporary Madness” Vanessa Perica

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豪州のMaria Schneiderという宣伝文句が目につき、購入を決めたVanessa PericanのzBigBand作で、これがデビュー作になるようです。
オーストラリアの地方政府(Council)の助成金を得て作成されているとのことで、国の期待も大きい逸材と言えそう。
日本にも挾間美帆という逸材がいるが、日本では公的な助成なんてありえない気がしているが..

そういえば、Maria Schneider本人も新作がリリース(7/24)されたようです。
購入できるようになったら速攻手に入れたいと思ってます。

さて本作ですが、メンツは以下のとおり。ざっと名前を眺めても知ってる名前はいなさそう。
おそらくですが地元のミュージシャンを揃えているんじゃないかと。
Vanessa Perica(Cond)
Carl Mackey(As,Ss)、Bernard Alexander(As)、Jamie Oehlers(Ts)、Julien Wilson(Ts)、Phil Noy(Bs)
Mat Jodrell(Tp)、Daniel Beasy(Tp,Flh)、Ross Irwin(Tp,Flh)、Paul Williamson(Tp,Flh)
Jordan Murray(Tb)、Nick Mulder(Tb)、Will Pethick(Tb)、Joe O’Callaghan(Tb)
Andrea Keller(P)、Theo Carbo(G)、Sam Anning(B)、Ben Vanderwal(Ds)

演奏曲は、作曲もアレンジもVanessa Pericaが担っています。
1.Spaccanapoli
2.Dance of the Zinfandels
3.Woody's Lament
4.Saint Lazare
5.Love is a Temporary Madness
6.Scar for Charlie
7.Rebrahmanization

事前にクレジットを見ていても、実際の音を聴いてもオーソドックスな楽器編成であることが確認できる。
金管によるユニゾンで、音の迫力を出してくるようなアレンジにまず耳が惹きつけられるような印象。
曲調は、非4ビートを中心にしたコンテンポラリ系が大半を占め、そう重くはないがなかなかなドラマチックな展開を聴かせる。
実際には、1曲めではギターのソロが映えるし、しっかり聴いていると2曲め以降でもトランペットがフィーチャされたり、サックスのソロが映える場面があったりと、決してアンサンブルを主役に据えているわけではない。
ないのであるが、アンサンブルによるハーモニーに耳を持っていかれているのは、そこに細心の注意を払ってアレンジをしているが故の所作なんでしょう。
さらに、金管楽器を多く抜擢していながら、往時のBigBand Jazzのような迫力あるスウィンギーなサウンドにはならずに、それとは別次元の繊細なハーモニーを前面に出しながらの迫力あるサウンドを聴かせるところが圧巻。
宣伝文句にあったMaria Schneiderを引き合いに出すのは言い過ぎにしても、オーソドックスな楽器編成で、しっかりとエモーショナルなサウンドを表現しているという意味においては、しっかり新しさのわかるBigBandサウンドを楽しませてもらった。

ベストは2曲め

“Love Is A Temporary Madness” Vanessa Perica (https://www.amazon.co.jp/dp/B088BMDZJ5/ )

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