"Live In Prague" Ondrej Stveracek

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Ondrej Stveracekというチェコのサックス奏者です。
中年音楽狂氏が、”ジャズ界のおんどれ君”と愛称をつけて呼ぶくらいに愛聴している記事を多く読んでいて、いつかは聴いてみようと思って聴いたのが、最近作の
これがエレクトリックサウンドをフィーチャしたもので、ここでこれだけ凄ければ、アコースティックに徹した、さらにライブだとどれだけ凄いのかと期待感を持って購入したのが本作です。

2017年10月12日にプラハにてライヴ録音した音源で、メンツは以下のとおり。
知った名前は、ドラムのGene Jacksonくらいか。
Ondrej Stveracek(Ts,Ss)、Klaudius Kovac(P)、Tomas Baros(B)、Gene Jackson(Ds)

演奏曲は、Ondrej Stveracekのオリジナルが4曲、Tomas Barosのオリジナルが1曲と、John Coltraneで全部で6曲。すべて10分近い熱演です。
01 Spanish
02 Naima
03 Jin-Fizz
04 Bunch Of Gypsies
05 Dedicated
06 Calm

冒頭ややゆったりめなフレーズのイントロが、その強めの音色からこの後の展開への期待(恐怖)感を助長する。
テーマからピアノソロを挟んで、豪咆一発といった体で登場してくるサックスが圧巻。
骨太で熱気充満、豪快で怒涛のブローをかましてくる。
2曲めがコルトレーンの名曲。
まさにコルトレーンばりの、と言いたいような期待に違わない見事なSheets of sound を繰り広げる。
以降の曲も、コルトレーンカルテットばりの、ドロッとした気配を含みながらのガッツリとした演奏は満足度が高い。
Ondrej Stveracekの強烈な一撃を喰らわせるようなサックスの痛快な響き。これを目当てにこの人を聴いていることが大いに納得できるようなサウンド。この説得力は尋常ではない。
ピアノのKlaudius Kovacのタッチ強めのガッツリのソロから、バッキングでは少し冒険心をうかがわせるフレーズを使ってくるような演奏で聴いていて楽しい。
この2人が、なんといっても聴いていておもしろい。

が、この演奏のおもしろさは、怒涛でありながら軽やかなリズムがあってでしょう。
音数多めのGene JacksonのドラムもSheets of sound の一端を担っているような感じで、このバンドにはよく合っている。
Tomas Baroaのベースを良く聴いていると、ヘヴィな演奏の裏でちょこっとリリカルなフレーズなんかを演奏していて侮れない。
ライブならではの粗さと熱さが、気持ち良いくらいに出ていて、これだからライブ盤はやめられない。
最後の最後がラグタイムなピアノの一節で終わるのが個人的には好き。

ベストは3曲めで。

"Live In Prague" Ondrej Stveracek (https://www.amazon.co.jp/dp/B07L9H7L6N/ )

この記事へのコメント

oza。
2020年08月15日 10:03
中年音楽狂さん コメントありがとうございます。

> ぶいぶいやってくれた時の快感
まさにこの快感ですね!

エキサイトしながら楽しく聴かせていただきました!!