Brad Mehldau "Solo 2011"

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Brad MehldauのBootlegを聴くのは、2019年の来日公演の音源に続いて2枚め。

2011年にBBCで放送された、ソロで演奏したカバー曲だけの音源とのこと。
Brad Mehldau(P)

収録曲は、Beatles, Pink Floyd, Radioheadの3曲。
1.Blackbird
2.Hey You
3.Jigsaw Falling Into Place

1曲め、元曲より丁寧な演奏という印象で、に少し溜めを効かせるようなスタイル。
元曲の基本パターンをしっかりとキープした上で、程よくアドリブを決めていくような演奏。
アドリブも、そう突拍子な方面に行ったりせず、曲の現在位置が明瞭な範疇にとどまるので、露頭に迷わずに曲の進行を追っていける。
それでいて、アドリブでの独特の溜めと絶妙な加減で入れ込んでくるフレーズ(メルドー節)が、なんとも言えない雰囲気を作っていて、これがたまったもんじゃない。
こういう演奏を聴かされると、あらためてメルドーの凄さを思い知らされる。
2曲めがPink Floyd、3曲めがRadioHeadらしいが、原曲をわかっていないので、元曲との関係性を前提とした聴取にはならないが、おそらく同様に絶妙な範疇でメルドー節を組み込んだ、絶妙なバランスの演奏なんだと思う。
と、ここで元曲を聴いて。。。
Hey Youは元曲のベースラインである左手のアルペジオがピアノの音色の変わることでクラシック風の味わいが出てきているか。
Jigsaw Falling Into Placeは、右手のリズムに左手の旋律という場面が多めなので、要所ででる高音のフレーズが映える。
元曲で強い印象のあるドラムを廃し、残響音を多く残しているので、粗さの感じる元曲より、ちょっと荘厳な雰囲気を感じるような作風に仕上げている。
Brad Mehldauは、以前からトリオでもロック曲を多く採用してきていたが、ソロでも唸らせる解釈を聴かせていて素晴らしい。

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