“Hero Trio” Rudresh Mahanthappa

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Rudresh Mahanthappaのリーダー作を買うのは2015年の作品以来ということになるので、実に5年ぶりの新作ということになる。
ゴリゴリのサックスはそこそこ人気があると思っているのだが、そこまでリーダー作を出せないほどなのかと、少し驚くくらい。
しかし、本作のタイトルが凄い。ヒーローと来た日にゃ泣く子も黙るってもんですw

その鉄壁wの布陣は、前作のリズムの2人を従えたもの。
Rudresh Mahanthappa(As)、Francois Moutin(B)、Rudy Royston(Ds)

演奏曲は、Charlie Parkerが3曲, Stevie Wnoder, Keith Jarrett, Ornette Colemanにスタンダードが2曲(4,7)とカントリー(6)という構成。
オリジナルを一切入れずにカバー曲?だけというのは最近ではちょっと珍しいか..。

1. Red Cross
2. Overjoyed
3. Barbados 26/2
4. I Can't Get Started
5. The Windup
6. Ring Of Fire
7. I'll Remember April
8. Sadness
9. Dewey Square

サックストリオというと、サックスがゴリゴリの演奏を聴かせることが主題で、そんなヘヴィなサックスサウンドに酔いしれるのが定番であります。
本作に関しては、それどころでないくらいにRudresh Mahanthappaのサックスの豪放感に打ちのめされるようなサウンドで、ちょっと仰反るくらい
音数多く自己主張してくるRudy Roystonの存在を意識しないほど、Rudresh Mahanthappaのサックスが強烈な印象を植え付ける。
冷静に聴いていれば、引くところはしっかり引いているが、出るところはガッツリと暴れまわっているのだが、存在感は、完全にRudresh Mahanthappaが圧倒的。
そんなやんちゃなサウンドを低音でしっかりと支えているのがFrancois Moutinのベースで、これがまた渋い
後半は、トリッキーな曲が増えてきて、7曲めのスタンダードの崩し具合も、なかなか強烈なものがある。
8曲めのOrnette Colemanは、アルコ弾きのベースが印象的なちょっとドロリとしたアレンジで聴かせる
最後のCharlie Parkerは前ノリ気味にパルシブにゴリゴリなリズムにバリバリ吹くサックスが熱い演奏だが、唐突に終わってちょっと驚く。

ベストは、1曲めに尽きるでしょう。

Hero Trio” Rudresh Mahanthappa (https://www.amazon.co.jp/dp/B086PNZCN9/ )

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