"Data Lords" Maria Schneider

1_363.jpg
Maria Schneiderの新作としては、2015年の"The Thompson Fields"以来ということになるのか?
 1996 "COMING ABOUT" 未紹介
このあとにArtist Shareではないレーベルから2000年の音源がリリースされています。

タイトルが"Data Lords"で、情報の支配者と訳され、コンピュータ社会のことを言っているとのこと。
そして、2枚のDiskそれぞれにテーマを掲げていて、Disk1がThe Digital World、Disk2がOur Natural Worldと題されている。
聴く側としてはその描き分けが興味津々。
 細かいところは(http://ventoazul.shop-pro.jp/?pid=152526388)参照。
しかしこの盤、普通に買うと\6,600-とかなりな高額なところが。。。

メンツは以下のとおり、各曲のソロイストもクレジットにあるがそれは割愛。
Maria Schneider(Cond)
Steve Wilson(Ss)、Dave Pietro(Cl,Fl)、Donny McCaslin(Ts,Fl)、Scott Robinson(Cl,Bcl)
Tony Kadleck(Tp,Flh)、Greg Gisberk(Tp,Flh)t、Nadje Noordhuisk(Tp,Flh)、Mike Rodriguezk(Tp,Flh)
Keith O’Quinn(Tb)、Ryan Keberle(Tb)、Marshall Gilkes(Tb)、George Flynn(Tb)
Gary Versace(Acc)、Ben Monder(G)、Frank Kimbrough(P)、Jay Anderson(B)、Johnathan Blake(Ds)

演奏曲は以下のとおり。前述の通り、Disk1がThe Digital World、Disk2がOur Natural Worldと題されている。
Disk1
01 A World Lost
02 Don’t Be Evil
03 CQ CQ, Is Anybody There?
04 Sputnik
05 Data Lords

Disk2
01 Sanzenin
02 Stone Song
03 Look Up
04 Braided Together
05 Bluebird
06 The Sun Waited For Me

Disk1のほうが管楽器が秩序を持った(それでいてちょっと不安を煽る音使いの)アンサンブを奏でるなかドラムがフリースタイルで叩いてたり、フレーズ自体が不安感を煽るようなものだったり、カオティックな気配を感じさせる。
Disk2のほうが、アンサンブルによるメロディアスなフレーズに、ドラムが控えめながらわかりやすいリズムを叩くという構成。ドラムなしでよりさっぱりとしたパートも含まれる。
Disk1より、より穏やかなナチュラルな雰囲気の曲調になっている。
と、しっかりと明瞭にアルバムコンセプトを描き分けている
各曲でソロイストが、サックス、ギター、トロンボーン等々曲ごとに1〜4人は入っていて、それだけで聴き応えのあるしっかりとしたソロをとっているが、ソロの演奏がフィーチャーされているのは間違いないにしても、そこだけが浮いておらず、ちゃんと曲の一部として機能しているのも凄いところ。
もっともDisk1-3曲めのトロンボーンソロで軍隊ラッパが吹き鳴らされるところとか、完全な即興ではないのかもしれないが..。
全体にものすごくしっかり作り込まれていながら、それでいてサウンドから余裕のようなものが感じられ、なんというか貫禄みたいな雰囲気すらをも感じられる。
ものすごい作品であることが、聴けば聴くほどにひしひしと感じられる。
Disk2に"our"という語を使っているように、Disk1よりDisk2に万人に心地良いサウドを選んでいることは明白で、個人的にもDisk2のサウンドに心地良さを感じているのは間違いのないところ。

ベストはDisk2-5曲めにしましょう。

"Data Lords" Maria Schneider (https://www.amazon.co.jp/dp/B08DR3XMDQ/ )

この記事へのコメント