"Naadam 2020" 林栄一 Mazuru Orchestra

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林栄一のリーダー作を聴くのは、彼の大所帯バンドGatos Meeting名義の “The Book Of Gatos”(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64448356.html )以来。この作品はライブ会場等一部で販売されただけで市販にはまわらず、なんらかのトラブルで作り直すということだったが、それっきりになっているよう..。
ライブでは、ソロ(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473772172.html )含め少人数のバンドでは 早川DUO(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/476626592.html )、南DUO(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64425301.html )とかいろいろ聴いています。

本作は、林さんが古希を迎えた記念に新宿Pit Innで行われたスペシャルバンドでのライブ。
メンツは、Gatos Meetingの面々を中心に現在の中央線ジャズの主要メンバーと言いたい面々を揃えている。
林栄一(As)
松井宏樹(As)、藤原大輔(Ts)、吉田隆一(Bs)、類家心平(Tp)、山田丈造(Tp)、後藤篤(Tb)、高橋保行(Tb)
石渡明廣(G)、石田幹雄(P)、岩見継吾(B)、磯部潤(Ds)、外山明(Ds)

演奏曲は潔く3曲だが、21分, 11分, 37分といずれもがっつりと長丁場の演奏なのはライブが故ということ。
1. Naadam
2. Fables of Faubus
3. 組曲

冒頭、名曲Naadamのイントロから吉田のバリトンのバリバリいうサウンドから石渡のギターが絡み、おもむろに始まる複数の管楽器でのユニゾンによるテーマになだれ込む、この迫力。
最初のソロは御大のアルト。貫禄十分の林節をぶちまける。
曲は、いくつかのパートに分かれているような感じで、少しづつニュアンスの違う演奏を聴かせる。そして最後にテーマに戻ってブワッと終わる。

長丁場の曲が3曲だけ収録という潔さも凄いが、その演奏がほとんど全員がゴリゴリのサウンドの猛者といった様相というのがもっと凄い。
藤原のテナーもゴリゴリだし、後藤のトロンボーンもゴリゴリだし、吉田のバリトンももちろんゴリゴリ、岩見のベースもゴリゴリ、磯部のドラムだってゴリゴリとしたサウンドを叩き出す。
聴いていて、この管楽器の分厚いサウンドの快感は、2017年から新作のリリースがない渋さ知らズに渇望している面々には、この作品を聴いてその飢えを凌げるのではないかと思う。
3曲めのラストのブローをかまし、最後のメンバー紹介もやっていたであろう吉田が音楽監督なのではないかと推測。
これで足りなきゃ、youtubeに音源が2曲 Let's Cool One, Better Get Hit in Your Soul 上がっているので見つけて聴いてください。

収録曲が3曲なのでベストは決めません。

"Naadam 2020" 林栄一 Mazuru Orchestra (https://www.amazon.co.jp/dp/B08HN9RYJF/ )

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