"Source" Nubya Garcia

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本作はリリース告知は見ていたが、買わずにスルーしたものを聴かせていただいたもの。
Nubya Garciaという女性サックス奏者のメジャーデビュー作ですが、それ以前に自主制作のEPのリリースはあったよう。
UKの新世代ジャズシーンと、Kamasi Washingtonの名前が出てくる宣伝文句なので、おおよその音の傾向はわかるってもん。
UK新世代ジャズというと、GoGo PenguinとかMammal Handsなどを思い出すが、
GoGo Penguinは2018年の作品”A Humdrum Star”(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64439115.html )は聴いているが、他は。。。
どちらかというと始祖にあたるCourtney Pine (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a43246778.html)くらいまでで停滞しているような感じでして。。。

メンツも知らない名前ばかりなのは、UKジャズをほとんど聴いていないのもあるが、そもそもGoGo PenguinとかMammal Handsのようにユニット名で見ているからメンツをしげしげと眺めていないが故というのもあります。
Nubya Garcia(Ts)、Joe Armon-Jones(P)、Daniel Casimir(B)、Sam Jones(Ds)
Karen Forero(Per,Vo)、Ms. MAURICE(Flh,Tp)
Akenya Featured(Vo)、Cassie Kinoshi(Vo)、Sheila Maurice-Grey(Vo)、Giovanna Mogollon(Per,Vo)、La Perla(Vo)、Diana Sanmiguel(Per,Vo)、Richie Seivwright(Vo)

演奏曲は以下のとおり、すべてNubya Garciaのオリジナルで良いと思います(未確認)
01 Pace
02 The Message Continues
03 Source
04 Together Is A Beautiful Place To Be
05 Stand With Each Other
06 Inner Game
07 La cumbia me esta llamando
08 Before Us: In Demerara & Caura
09 Boundless Beings
10 The Message Continues Remix

いわゆるクラブジャズ系よりの音作り。
全体に少しエコーがかかったサウンドで覆われた低音過多気味のベースとバスドラムが響くなか、特にしっかりと響きののったサックスがテーマを奏でる。
そこに、ちょっとグラスパーの影響を感じさせる生ピとHerbie Hancockをそこはかとなく感じさせるキーボードが絡んでくるようなサウンド。
リーダーのNubya Garciaのサックスは、フレーズ的には狭義のジャズの観点からはとくに特筆できるような演奏っていう感じを受けず、演奏の巧さ即興の巧さをみせるというよりは、全体のサウンドのなかで効果的な音出しをしているような印象を受けるが、はてさて。
ピアノがJoe Armon-Jonesという人で、前述の通りRobert GlasperとかHerbie Hancockとかの影響を感じさせるが、全体にアグレッシブなフレーズを駆使した演奏をしていて、個人的には好感触。
4曲めがバラード調のゆったりとした美旋律な曲、7曲めがパーカッションに女声によるアフリカンな雰囲気の強いサウンド、10曲めは3曲めのRemixでよりビート感を強くしエコーも効かせてドラマチックなエンディングを担っている。
全体的にいずれも演奏はもの凄く格好良いが、この格好良さはおっさんジャズ聴きがジャズを聴いて感じる格好良さとはちょっと違う部類の格好良さではあるんだと思う。
Kamasi Washingtonなんかもそうだが自分が年をとったことを如実に感じるw

ベストは6曲めでしょう

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