"Dancing in Your Head(S)" Orchestre National De Jazz

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Ornette Coleman の名盤と同じタイトルのBig Band作。
タイトルの通り、Ornette Colemanの曲をBig Bandアレンジで聴かせている作品。
Orchestre National De Jazz は欧州の有名なBig Bandで、名前は以前から知っていたが、自blogを漁っても引っかからかなったので、アルバムを聴くのはどうやら初めてらしい。
昨今の米国でのBig Bandの隆盛から世界的に盛り上がりに繋がり、アルバム制作と世界への流通につながっているのかもしれない。(運営自体は、たしか国の支援があるはず)
この後、同じく欧州のBig BandのJaco PAstrius トリビュートなアルバムの紹介が待っている。

本作のメンツですが、ギターが2人いるのが気になったところか
Jean-Michel Couchet(As,Ss)、Anna-Lena Schnabel(As,Fl)、Julien Soro(Ts)、Fabien Debellefontanie(Ts,Fl)、Morgane Carnet(Bs)
Fabien Norbert(Tp)、Susana Santos Silva(Tp)、Mathilde Fevre(Cor)
Daniel Zimmermann(Tb)、Judith Wekstein(Tb)
Pierre Durand(G)、Frederic Maurin(G)
Bruno Ruder(Fender Rhodes)、Sylvain Daniel(B)、Rafael Koerner(Ds)

演奏曲は以下のとおり、すべてを把握していないがすべてOrnette Colemanの曲で良いはずです。
1.Feet Music
2.Jump Street
3.City Living
4.Good Old Days
5.Something Sweet, Something Tender
6.Dogon A.D.
7.Lonely Woman
8.Kathelin Gray
9.Theme From Symphony

おそらく、コールマンの作曲能力に焦点を当てた、ということだと解釈しているが、全体的なサウンドイメージとしては、Ornette Coleman の曲だと思うと、とても端正なサウンドに仕上がっている印象。
コールマンの演奏にある、ある種のバタ臭さみたいなものを削ぎ落としたような感じで、それが故に曲自体の実態が浮き彫りにされているんだと思う。
ソロをとるサックス奏者等、個々の演奏はしっかり頑張っているとは思うが、それでも演奏自体の力量というかそういう類いの迫力が若干足りない演奏と感じてしまうのは、Ornette Colemanの絶大なる個性に拠るものであるのは間違いなく、あらためてOrnette Colemanのパワーと個性とを思い知る。
特に後半で感じられるが、アンサンブルのアレンジにより曲のエッセンスを抽出しながらあらたな魅力を引き出していると感じられる要素が出てきてて、もしかしたらこっちが本来聴かせたかったサウンドなのかもとも感じている。
前半は、数曲を連続してメドレー形式で演奏しているような感じなので、冒頭でOrnette Colemanの曲に慣れてもらうような意図があったとしたら、そういうところも後半が本領であるということの表れかも。
もっともポータブル機で聴いていると、曲の切れ目(音が途切れる)がとても中途半端なところで、ちょっとのけぞる。

ベストは、印象的なテーマでありながら、程よく換骨奪胎している9曲め

"Dancing in Your Head(S)" Orchestre National De Jazz (https://www.amazon.co.jp/dp/B08B35XMBX/ )

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