"Plays" Chick Corea

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Chick Coreaのソロ作を聴くのは、2014年の"Portraits"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62694679.html )以来ということになるよう。
このあと、70歳の大作"The Musician"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64091656.html )、Steve Gaddとの共演作、Akoustic band、そして最近作は"Spanish Heart Band" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470101028.html )だったので、コンスタントにアルバムをリリースしてはいるが、懐古的なプロジェクトが並んでいたような印象だった。
本作は、過去の偉人の曲を演奏したり、1984リリースの"Children's Song" からの曲を集中的に演奏するという懐古的な場面もみせるが、Yaron Herman, Charles Heisserという若手?との共演を入れてくるという新しい面もみせている。

メンツは以下のとおり。ソロ作ではあるが、2曲がデュオで奏でられる。
Chick Corea(P)
Yaron Herman(P:2-8)、Charles Heisser(P:2-9)

演奏曲はてんこ盛りの25曲くらい。MCも含めたライブアルバムってのも珍しいと思うが、その部分をトラックが分けてあるのが良心的ではあるといえるか。
[Disc1]
01 Chick Talks Mozart and Gershwin
02 Mozart: Piano Sonata in F, KV332 (2nd Part - Adagio)
03 Someone to Watch Over Me
04 Improvisation on Scarlatti
05 Scarlatti: Sonata in D minor K9, L413 Allegro
06 Yesterdays
07 Chick Talks Bill Evans and Antonio Jobim
08 Waltz for Debby
09 Desafinado
10 Chopin: Prelude Op. 28 #4
11 Scriabin: Prelude Op.11 (Part 1) #4
12 Chick Talks Monk
13 Pannonica
14 Trinkle Tinkle
15 Blue Monk
[Disc2]
01 Pastime Paradise
02 Chick Talks Paco
03 The Yellow Nimbus
04 Chick Talks Portraits
05 Portrait: Henrietta
06 Portrait: Chris
07 Chick Talks Duets
08 Duet: Yaron
09 Duet: Charles
10 Chick Talks Children's Songs
11 Children's Song No. 1
12 Children's Song No. 3
13 Children's Song No. 4
14 Children's Song No. 9
15 Children's Song No. 10
16 Children's Song No. 15
17 Children's Song No. 17
18 Children's Song No. 12

冒頭から、ライブでは良く見られる客いじりから始まるところが。。
MCもおそらほぼ全部を収録しているんじゃないかというくらい、頻度高く入っていて、そんなところも含め(通常の演奏順とは異なると思うが)コンサートをすべてまるごと収めているようなそんな感じに聴き進められるような作り。
ソロでの演奏なので、これぞChick Coreaといった演奏が目白押しということになるのだが、左手の使い方、即興でのスパニッシュなフレーズ、演奏の醸し出す雰囲気のすべてが、まぁ見事にChick Corea。
Mozartから始まり、Bill Evans、A.C.Jobmを挟んでChopinと上品めな選曲からのThelonius Monk と続いたところで1枚め終了。
2枚めはStevie Wonderから。
Portraitのパートはおそらくお客さんを舞台に呼んで、その人のことを即興演奏しているよう。実際のコンサートでやってるんでしょう。
その次のパートではYaron Herman, Charles Heisserとのデュオ。
そして後半は、Children’s Songをたっぷりと聴かせる。
もうてんこ盛りと言ってもいいくらいにたっぷりとChick Coreaワールドを浴びるように聴くような状況で、お腹いっぱいになること間違いなし。

ベストは、Yaron HermanとのデュオのDisc2-8にしましょう。

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