"Irmaos De Fe" John Patitucci

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John Patitucciのリーダー作の最近のものは、2019年の
だが、本作はそれをさかのぼる2016年に録音され2017年にアナログでリリースされていた音源。
Yotam Silbersteinを迎えたトリオで、ブラジルの巨匠の音楽を集めたアルバム。
2016年には、Andre MarquesというピアニストとHermeto Pascoal集をリリースしているので、この年はブラジルに長く滞在していたか、あるいは傾倒していた時期だったんでしょう。

メンツは、前述の通りYotam Silbersteinをフロントに迎えたトリオ。
Rogerio BoccatoはMaria Schneider含めBig Bandのパーカッショニストとして名前が出てくる人。
John Patitucci(B)、Yotam Silberstein(G)、Rogerio Boccato(Ds)

演奏曲は、Milton Nacimento, Egberto Ginmonti, Augusto Sardinha, Tom Jobim, Chico Buarque, Dominguinhos, Joao Boscoといった名前が並ぶ、全部で9曲。
1.Irmao de Fe
2.Catavento
3.Prʼ um Samba
4.Desvairada
5.Olha Maria
6.Samba do Grande Amor
7.As Vitrines
8.Nilopolitano
9.Sinha

上述のとおりブラジル系の曲が並んでいるが、往年の少し古めな曲を選んでいることとゆったりめな演奏と相まって、しっとりめな雰囲気を感じさせる曲が多めに並んでいる。
約40分弱での9曲を何度か聴いていたが、ここでの演奏は曲の雰囲気は伝わってくるが曲の良さを認識させるような演奏ってわけではないかなぁという印象で、ジャズとしては当然ではあるが、曲を素材にした演奏での心地良さと凄さとを聴かせていくほうに重点を置いているか。
ブラジル音楽だと、曲の良さもしっかり聴かせるスタイルが多い印象なので、そういう意味では少し珍しい部類と言えそう。
4曲めでのギターとベースのユニゾンで弾ききる6/8拍子はなかなかに圧巻、5曲めではアルコでの主旋律を思い入れたっぷりといった風情で奏でる。
アコギかセミアコを使ったストレートな音色で盤石なテクニックを見せるYotam Silbersteinのギター。
派手な立ち回りを多用せず、曲調に合わせながら速い運指を織り交ぜつつ丁寧にフレーズを紡いでいくさまは、さすがに巧いなぁと感嘆させられる。
John Patitucciもアコベとエレベとを効果的に使い分けながら、John Patitucciらしいしっかりとした運指のベースを聴かせ、高音過多にもならず盤石な演奏を聴かせる。

ベストは、5曲めにしましょう。

"Irmaos De Fe" John Patitucci (https://www.amazon.co.jp/dp/B08KGDWDGH/ )

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