"緑輪花" 石田幹雄
石田幹雄のリーダー作は、2018年のソロ作、"時景"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64470109.html )以来。
本作は、彼のデビュー作で現在入手困難な"張碓"(https://www.amazon.co.jp/dp/B000Q36TSI )の3人が久々にトリオを組んで録音した作品。
元々の共演歴の長い3人であること、その後3人3様で八面六部どころでない様々な場面での活動、活躍をしていること。
・・リズムの二人が揃って板橋トリオに抜擢、竹村一哲は渡辺貞夫バンドのレギュラードラマーでもあります。
そんなわけで、3人共演はしばらく途絶えていたが、それぞれが実力をパワーアップさせたところで2019年に久々にライブを再開。
その結果がこのアルバムになったといういきさつ。であってると思う。
このアルバムもライブ録音であるが、その再開セッションの初期の頃のライブを実はしっかりと堪能している。
"石田幹雄3(20191218)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/472733862.html )
メンツは、そういうわけで以下の通り。
石田幹雄(P)、瀬尾高志(B)、竹村一哲(Ds)
演奏曲は、クレジットされてなさそうだがいずれも3人の誰かのオリジナルってことでしょう。
Disc1
1. 4Beatなやつ
2. Dのルバート
3. ハリウスⅡ
4. 瞬芸
Disc2
1. 釧路Ⅲ
2. G.O.I.M
3. 熱夏
4. A.P.C.H
5. 瞬芸Ⅱ
上述の通り、古くからの盟友である3人なので、長らくのギャップをものともせずのコンビネーションは揺るぎないもの。
さらに、3者がそれぞれの活動で醸成してきた実力がともなって、より演奏に凄さが出てきているような印象。
2枚のアルバムのなかに、緩急、強弱、リリカルな面とカオスな面とを織り交ぜた演奏が渾然一体となっており、さらにその振り幅が大きいことで、ダイナミズム、表現の幅広さが生み出されている。
もともと石田の演奏自体の振り幅が大きいと思うが、それがさらに大きく広がっているような感じ。
ここまで表現のはばの広いピアノトリオってのもなかなかないんじゃないかと思う。
そして、それだけの振り幅に3者がそれぞれに、加担し追従しているところが、これまた凄いところ。
聴いていて、トリオの妙も、石田のピアノもさることながら、一哲のドラムの凄さが際立っていて、これが大いなる聴きどころになっている。ドラムだけ聴いてても楽しい。
いろんな意味でのハードな演奏がこのトリオを真骨頂なんだとは思うが、それをさしおいてあえてベストはDisk2の 1曲めにしましょう。
"緑輪花" 石田幹雄 (http://ishidamikio.sakura.ne.jp/disco.html )
この記事へのコメント