"Warsaw Wow" Kasper Tranberg / 南博

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先日、デビューアルバム(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63646287.html )が再発されたピアニストの南博の作品は数多く聴いていますが、管の入ったものはBOZO名義の作品(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a53070889.html )と、Go There名義の作品(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59740762.html )があります。
 他に、"花と水"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a57539139.html )、"Lindenbaum Session"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59160542.html )があるが、トランペットとの共演ってのを聴いていないはず。。
Kasper Tranbergとは、自分が南さんを知る以前にいくつかアルバムを残していたのは知っていたが、どフリーとの前評判を聴いていたので手を出していません。(たぶん、すでに入手困難でしょう)

本作は、共演作のリリースからしばらく(10年以上?)経って、久々の再開セッションをライブ収録したもの。
とはいえ、前述の先入観があるのでリリース時には手を出さず、しばらく経ってかなり安価に入手しています。

メンツは、金森もとい、芳垣安洋を擁したカルテット。金森もといは20代の若手ベーシストです。
Kasper Tranberg(Tp)、南博(P)、金森もとい(B)、芳垣安洋(Ds)

演奏曲は、すべて南博のオリジナルで,タイトルのワルシャワで作ったものとのこと。
01 Empire Red State Building
02 Alley
03 More Than Quiet
04 I'm here
05 Cafe Circle
06 winter tea

前述の通り、Kasper Tranberg参加の南博作品がいくつか存在しているのは認識していたが、完全フリー作という前情報から、かなりハードなフリージャズという先入観的な印象を持っていて、これまで積極的に聴こうという姿勢ではなかったんです。(懺悔)
冒頭、かなり速いテンポではあるが4ビート基調の熱いインプロビゼーションの応酬といった演奏で、個人的嗜好の範疇にどっぷりはまってて、完全に聴かず嫌いを反省する事態に至り恐縮至極でありました。
Kasper Tranbergのトランペットがなんともクールな佇まいで、このサウンドが全体の雰囲気形成には大きな影響力を持っていると感じられる。
南さんのピアノが、曲のニュアンスに合わせた絶妙な塩梅の演奏で南さんらしいフレーズをしっかり聴かせつつ良いセンスを見せてくる。
南さんのピアノはとくにリフでらしさが出てくる。
ドラムとベースがヘヴィ級と言って良い強さを持っていて演奏の強さを引き出すには充分な面々。
実に聴き応えのあるサウンドを聴かせる。
2曲めが一番ハードな印象の曲、3曲めがスローに奏でられる渋いスタイルの曲、4曲めか一番シリアスな曲、5曲めもシリアスな展開だが、もう少しバラードな気配を感じる。
最後の曲が、音数を厳選したようなおどろしい曲で締め括られる。

ベストは5曲めにします。

"Warsaw Wow" Kasper Tranberg / 南博 (https://www.amazon.co.jp/dp/B07PFXBX3J/ )

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