"Irene Of Boston" Francesco Cafiso

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Francesco Cafisoの新作が出ました!
前作が2018年だったので3年ぶりってことになります。
本作は、オーケストラの入った作品で、パーカッションの入ったクインテット+オーケストラという布陣。
前作が9人で、だいぶメンツが増えたと思っていたら、今度はオーケストラでさらに人が増えたという..。

メンツは以下の通り、前作とピアニストが同じでした。
Francesco Cafiso(As)、Mauro Schiavone(P)、Eric Wheeler(B)、Marcus Gilmore(Ds)、Alex Scuna(Per)
London Symphony Orchestra

演奏曲は以下の通り、すべてFrancesco Cafisoのオリジナルで、英国の帆船"Irene of Boston"の歴史に着想を得て作られたものとのこと。
01. Bouche Dorée - Apparition
02. Far Flow
03. Corto Maltese
04. S'Irendipity
05. Irene of Boston
06. Seasons of a Dream
07. Rasputin
08. Bluelogue
09. Fluid Remembrance
10. Bouche Dorée - Disparition

クレジット上では、ベース、ドラム、パーカッションと、リズム楽器が並んでいるが、実際に聴いていると、それらリズム楽器の印象は希薄で、ほとんどオーケストラの程よく厚みがあり、程よく重厚感の感じられるサウンドが支配的な印象。
主役のFrancesco Cafisoのサックスすら脇役に感じる部分があるくらいの存在感を見せる。
そのオーケストラは、木管楽器を中心に、弦楽器とトロンボーンが要所で前面に出てくるような感じ構成されるアンサンブル。
全体には、刺激的な音が少なめの楽器を多く起用している印象。
美しいことは間違いないが、そこに迫力あるサウンドをも効かせており、この音の傾向がそこはかとなくイタリア的な美学を表現しているような気がしている。
ちょっとアジアテイストのフレーズが見え隠れする部分もあるのは、Irene of Boston号が世界一周をしていることに由来するのか…。
Francesco Cafiso の奏者としての出番は、少ないくらいなのだが、場の雰囲気を引き締めるような演奏を、しっかり決めてくるところは、さすがと言いたいところ。
9曲めが、映画音楽的壮大さの極みのような演奏で、10曲めの最後が中華かガムランかといった様相のアジアテイストの演奏で締め括られる。

ベストは3曲めにしましょう

"Irene Of Boston" Francesco Cafiso (https://www.amazon.co.jp/dp/B08NB9Y4HF/ )

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