"Doctone" Noah Haidu

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Noah Haiduというピアニストのリーダー作で、この人の演奏はこれまで未聴。
1972生らしいので、これまでに聴いてても良さそうなものだが、縁がなかったんでしょう。
リーダー作は数作出ているようだが、参加作が少ない人なのかもしれないが..
本作もリーダーを見て買いを決めたわけではなく、ちょっと懐かしい名前を含む、複数の管楽器奏者が面白そうで買いを決めていますが、アルバムとしてはKenny Kirklandトリビュートとのことで、そのコンセプトもちょっと惹かれるところ。

メンツは以下の通り。Billy Hartは複数作で聴いているが、Todd Coolmanも初のよう。
管楽器が白眉で、最近全然名前を見かけないGary Thomasの参加が特に気になるところ。
Noah Haidu(P,Key)、Billy Hart(Ds)、Todd Coolman(B)
Steve Wilson(As:9,Ss:2,4,9)、Gary Thomas(Ts:7,10)、Jon Irabagon(Ts:3,Ss:10)、Dan Sadownick(Per:3)

演奏曲は、イントロ的な1曲めを除いて、すべてKenny Kirklandの曲(とジャケには書いてある)を演奏しています。
01 Doctor of tone
02 Midnight silence
03 Blasphemy
04 Steepian faith
05 Dienda [Part 1]
06 Dienda [Part 2]
07 Mr. J.C.
08 The tonality of atonement
09 Chambers of Tain
10 Fuchsia
11 Change

前述の通り、目当ては複数の管楽器奏者の演奏ではあるが、その根源となるピアノトリオでの演奏がそもそもなかなか侮れない演奏でそれだけでテンションがあがってく。
5曲め6曲めと続いて管楽器奏者なしでの演奏で、作品としては管楽器が前面というわけではない。
Kenny Kirklandトリビュートなので、当然といえば当然なのだが..
そうは言っても気になるのが、3人の管楽器奏者の演奏ってことにはなる。
3曲めは、シンセ、ベース、ドラムのトリオにJon Irabagonのサックスが絡む展開だが、この無機的でありながらメロディアスな演奏の引き込まれ具合はちょっと尋常ではない感じ。
7曲め、シンバルが煽る渋めの高速4ビートに、徐々にテンションが上がって畳みかけるようなソロになだれ込むGary Thomasの演奏が清々しい。
同じく高速4ビートで奏でられる9曲め。
テーマはソプラノで奏で、直後のソロはアルトに持ち替えるSteve Wilsonのブルージーな演奏、続くピアノソロがまた圧巻で格好良いことこの上無し。
10曲めは2管でのアンサンブルによるテーマから、ピアノソロを挟んで、Gary Thomasの渋めのテナーソロ。
ここではJon Irabagonはソロを披露していない…
Kenny Kirklandが活動していた頃の新主流派(死語)らしいテンションの高い曲が、この時期になって逆に新鮮に響く。
Noah Haiduのピアノは、Kenny Kirklandほどテンションの高い演奏って感じではなく、もっと柔軟にしなやかに弾くようなスタイルか。

ベストは7曲め

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