"Into The Forest" 永武幹子

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永武幹子の新しいトリオでの初作です。
これまで参加作、自主制作とCDは出ていました。
前のトリオは自主制作でのリリースだけでした。

人気からしたら、まだまだ露出というには足りない状況でしたが。ここにきてJabuticabaの作品と本作と立て続けに2枚のアルバムがリリースされました。
新しいレギュラートリオは、織原のフレットレスベースに、吉良のドラムという布陣。
残念ながら、まだライブでは体験できていません。

そんなメンツは以下の通り。最後の曲でJabuticabaの加納さんが客演してます。
Jabuticabaでは、このトリオの2人が客演してました。
永武幹子(P)、織原良次(B)、吉良創太(Ds)
加納奈実(As:12)

演奏曲は、3曲めがThelonius Monkで、他はすべて永武のオリジナル
01 -Prologue- リーベの舟唄
02 Grotta Azzurra
03 Epistrophy
04 Just Us
05 Clover2
06 Train
07 It's Break Time
08 Lost Folksong
09 Twenty One
10 Panorama1
11 -Epilogue- Poor Wheel
12 Along with You, Sunnyman -Bonus Track-

ブルージーなソロピアノの小品がオープニング。
続く2曲めからが本編。
聴いていてまず感じるのがひときわ異彩を放つ織原のフレットレスベース。
その独特なサウンドが見せる個性がなんだかんだで強いのは、このトリオの一番の見せ場と言って良いのではないか。
吉良のロックなビートから複雑なリズムパターンまで叩きこなす、軽やかでありながらドライブ感をしっかり感じさせるドラミングと相まって、固有の雰囲気を作り出していく。
そして、永武のピアノ。
速いフレーズから、ガツンと強いタッチ、リリカルな演奏から、しっとりとした表現まで個性を炸裂させながらのピアノがなにより圧巻。
その永武の作る一種独特な節回しで作られるオリジナル。
変幻自在というか、あの手この手的にいろんな表現で翻弄されるような…。
2曲めは、情景を想起させるフレーズでありながら不思議な雰囲気に引きずり込まれる
5曲めでのダークな雰囲気からのドラマチックな展開
練習曲のようなピアノのイントロからベースの高速フレーズへとなだれ込む7曲め
青い月明かりを想起させるような8曲め
曲も演奏もアクロバティックという表現が一番しっくりくるようなそんな作品。

ベスト、本編から選ぶのが本筋で、先日の新譜会(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/480712471.html )でも2曲めをかけましたが、ここではあえて最後にほっこりさせてくれる12曲めとさせていただきます。

"Into The Forest" 永武幹子 (https://www.amazon.co.jp/dp/B08VX1VYX3/ )

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