"野百合" 宮沢昭

2_078.jpg
コロナ禍で、入手困難だったりそこまで手が回らなかったりでこれまであまり聴けていない邦人ジャズを集中的に聴かせてもらう機会を得ました。
これから散発的にちょっと古い日本人のジャズの紹介が紛れ込む予定です。

本作は、1992年にリリースされた、宮沢昭のリーダー作で、浅川マキがプロデュースをした3枚のうちに1枚とのこと。
参考に残りの2作は
 "From the Broken World" (https://www.amazon.co.jp/dp/B000064UF7/ )

宮沢昭さんもこれまで、ほとんど縁がなく、これまでに自blogで紹介しているのは、お借りして聴いているレア盤のこれだけ。参加作含め所有もたぶんしてないはずです。
 "内田修ジャズコレクション" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64060067.html )

本作は、渋谷さんとのデュオです。この2人でアルバムを作ろうという浅川さんの感性は凄いと思います。
渋谷毅(P)、宮沢昭(Ts)

演奏曲は、宮沢6曲、渋谷2曲のオリジナルで構成されています。
1.野百合
2.12+2
3.秋意
4.Beyond The Flames
5.Sea Horse
6.浜名湖
7.Water Beatle
8.Dozing Blues

しっとりだったりリリカルだったりとした曲調が中心とした選曲。
優しい音色のピアノ、一聴訥々とした印象のサックス。
いずれも、ほぼ必要最小限の音だけを鳴らしているような感じで空間をたっぷりと開けている。
それでいて底知れぬ力強さを感じさせる演奏でちょっと凄みみたいなものを感じる。
1曲めでだけだが3回、カツンってノイズ?が入るが、これが程良い緊張感を与えていて侮れない。
3曲めはピアノだけで演奏。
4曲めが、先日の古澤とのデュオの最後で演奏していた、個人的にとても気に入った曲の再演。こちらはピアノが主導した前半に、後半でサックスが入ってくる。
5曲めでは電子オルガンをちょっと使っているが、時代なんだろうなと思いつつ、個人的には要らない気がしてる。
何度か連続して聴いていたが、聴けば聴くほどじわじわと味わい深さを感じるような、そんな演奏

ベストは8曲めにしましょう。

このアルバムのwikiがあります。

この記事へのコメント