"Human" Shai Maestro

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Shai Maestroの新作は、前作(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64640536.html )に引き続き、ECMレーベルからのリリース。
前作はトリオでの演奏だったかが、本作ではトランペットが入るカルテット。
前作(2018)、前々作(2015)としっかりコンスタントにほぼ3年毎のペースを崩さずにリリースされています。
これが4枚めのリーダー作が出ているが、リーダー作はすべてトリオを基本にしたものなので、心境に変化があったか..。
参加作では、Ari Hoenig, Oded Tzur等のアルバムでサックスとの共演はしているがトランペットは初かもしれない。

メンツは前作のトリオにトランペットが追加されたもの。
そのPhilip Dizackは、Orlando Le Flemingのリーダー作 "Romantic Funk: The Unfamiliar" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/478348595.html )で聴いていました。
Shai Maestro(P)、Philip Dizack(Tp)、Jorge Roeder(B)、Ofri Nehemya(Ds)

演奏曲は1曲を除いてすべて、Shai Maestroのオリジナル。
1.Time
2.Mystery and Illusions
3.Human
4.GG
5.The Thief's Dream
6.Hank and Charlie
7.Compassion
8.Prayer
9.They Went to War
10.In a Sentimental Mood
11.Ima (For Talma Maestro)

一聴、温度感低めのECMらしい曲調だなぁという第一印象。
トランペットのPhilip Dizackが、柔らかめでありながら凛としたサウンドでそんなECMサウンドに拍車をかける。
Shai Maestroのピアノは、右手の高音をおかず的フレーズに使って、低音で主旋律的なフレーズを奏で、トランペットもその低音でのフレーズに乗っかるような展開が多め。
その絡みは、ユニゾンだったり、逆にトランペットをバックに従える場面も多い。
場面的には少ないが管楽器が入ったことで、Shai Maestroのバッキングでの演奏を聴くことができるのが、ある意味貴重。
フロントの演奏に縦横無尽に絡んでいってて格好良い。
そして、イスラエルなサウンドがほどよく紛れているのはお約束。
そう過度でもなく、でも良いアクセントには繋がっている印象。
後半は、ピアノトリオでの演奏の比率が増える。

ベストは2曲めでしょう。

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