梅津和時 "First Deserter"

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コロナ禍で、入手困難だったりそこまで手が回らなかったりでこれまであまり聴けていない邦人ジャズを集中的に聴かせてもらう機会を得ました。
これから散発的にちょっと古い日本人のジャズの紹介が紛れ込む予定です。

本作は1995年に録音されたMarc Ribot, Wayne Horvitz, Tom Coraというあちらの面々と作成したアルバム。
Marc Ribotと演ってるアルバムは他にもいくつかあったはずだが未調査。
梅津和時(Sax,Cl)、Marc Ribot(G)、Wayne Horvitz(P,Key)、Tom Cora(Cello)、Sam Bennwtt(Ds)

演奏曲は以下の通りで、未確認だがたぶん全部梅津のオリジナル。
1.TOUR WITHOUT
2.USED GO-GO
3.GET A WAY WITH MURDER
4.んかっか
5.珍島アリラン
6.いつだっていいかげん
7.SEPTEMBER FIRST
8.AROUND THE JAZZ
9.ダイスキ
10.私のような人
11.エンドレス
12.VIETNAMESE GOSPEL
13.USED USED GO-GO

全体的に色々な意味で”いなたい”演奏が並んでいる。
一言で言えば、色々なスタイルのフリージャズってことにはなると思うが、当然のごとくひと筋縄ではいかないさまざまなフリージャズをMarc Ribot(のノイジーなギターと梅津のキレの良いサックスとで、独特の音世界で楽しませてくれる。
2曲めはスカ、4曲めはださい(wフレーズのテーマを元にした演奏、5曲めの梅津は尺八か演歌かってな泣きの情感をたっぷりに聴かせる、10曲めはムード歌謡、
12曲めはLeonard CohenのHallelujahを想起させるような曲、
最後は2曲めのリプレイのようなサウンドで締め括られる。
梅津のアイデンティティであろう和テイスト、アジアンテイストを強く感じさせるような曲が多めで、そんな雰囲気を随所に感じさせる作風に仕上がっている。
以前から、梅津のこのあたりのアルバムの存在は知っており、聴かずに恐れていたところがあったが、聴けば、固有のクセはあるものの実におもしろい聴き応えのあるサウンドを楽しめる。

ベストは12曲め

梅津和時 "First Deserter" (https://www.amazon.co.jp/dp/B002UN34J4 )

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