"UnEasy" Vijay Iyer
Vijay Iyerの 新作は前作までと同様にECMからのリリース。
前作はCraig Tabornとのデュオ作でしたが、これは聴いていません。
"Transitory Poems" (https://www.amazon.co.jp/dp/B07MX2DFHX/ )
自blogでは、その前の3管のアルバムを紹介しています。
"Far from Over" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64278612.html )
一時期青田買い的に中堅どころの面々がECMからアルバムを出してましたが、ECMから何作かアルバムを出した後にレーベルを離れる人も出てきているなか、Vijay IyerはShai Maestroとかと同様に継続してECからアルバムをリリースしています。
本作は、Linda May Han Ohをベーシストとして迎えたピアノトリオ作。ドラムのTyshawn Soreyは前作でも叩いていました。
Vijay Iyer(P)、Linda May Han Oh(B)、Tyshawn Sorey(Ds)
演奏曲は、Vijay Iyerのオリジナル曲が8曲とCole Porter, Geri Allenで全部で10曲
01.Children Of Flint
02.Combat Breathing
03.Night And Day
04.Touba
05.Drummer’s Song
06.Augury
07.Configurations
08.Uneasy
09.Retrofit
10.Entrustment
非4ビートの不思議な雰囲気を感じさせる曲が多め。
とくに難解なリズムだとか、拍が複雑だったりとかそんな気配はなく、わかりにくいわけではないが、なんだかなんとも不思議な雰囲気を醸し出しているそんな曲調。
もっとも、そんなところもVijay Iyerぽいと感じられるところなのかも。
そのVijay Iyerのピアノ。
超絶なテクニックって感じでも、フレーズがアウトするような技巧で聴かせる感じでもなく、多少中東系のフレーズを感じさせる部分もあるが基本的には正攻法的な演奏で、それでいてなんか固有の響きを感じ惹かれるものがある。そんなピアノ。
Linda May Han Ohのベースはかなり深く沈み込むような音色で存在感を出してくる。
大方の曲でソロも披露しておりたっぷりと演奏を楽しむことができる。
Tyshawn Soreyのドラムが音数多くテンションを上げてゆく方向に作用している。
この3者の有機的な混沌が、不思議な雰囲気を醸成させているんだと思う。
が、何度か聴いているとこの不思議な感覚ってのが若干希薄になってくるのだが、そうなると逆に聴き知った安心感のあった3曲めで不思議な感覚がもたげてくるところがおもしろいところ。
なもんで、ベストはその3曲めにしましょう。
"UnEasy" Vijay Iyer (https://www.amazon.co.jp/dp/B08W7GB4PV/ )
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