"Live At The 55 Bar" Ben Monder
Ben Monderのリーダー作は2019年の "Day After Day" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64817327.html )以来で、前作もトリオ作でした。
自blogを漁ってもリーダー作はそう多く出てきません。
が参加作が凄く、Maria Schneider, Donny McCaslin, David Bowieと錚々たる面々が並ぶ。
先日紹介のDiego Pineraの "Odd Wisdom" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/481276575.html )にも、Donny McCaslinともども参加していました。
このアルバムのメンツは、泣く子も黙る?Tony MalabyのサックスにTom Raineyのドラムという、ちょっと聴くのに勇気がいりそうな布陣。
Ben Monder(G)、Tony Malaby(Ts)、Tom Rainey(Ds)
演奏曲も、曲のタイトルではなく完全に即興であることを物語っている.. しかも1曲の時間が長い..
1.Part I 16:54
2.Part II 29:17
3.Part III 15:27
タイトルを見てわかるとおり、すべて完全即興による演奏。しかも、フリー濃度高め。
冒頭、ギターとサックスの静かな音出しからドラムの音数が増えるとサックスのテンションが上がってくる1曲め。
フロアタムを手で叩くような低音が響くなか、ねじ込んでいくようにサックスをかます、ちょっとおどろおどろしいオープニングの2曲め。
ギターのうねりのある低音から、3者ののたうち回るような怒涛の咆哮へとなだれ込んでいく3曲め。
といずれもヘヴィな演奏が並ぶ。
サックスがさまざまなテクニックを駆使して多岐にわたる音色を聴かせてくるが、電気エフェクトを噛ませたギターの音色の多様さには及ばない。
とはいえ、その両者(ドラムも加えて3者による3者3様)の絡まりは、混沌かつ複雑でありながら有機的で、抽象的でありながら濃厚で密度感のある模様を描いていくちょっと凄みのある演奏。
長尺の3曲なので、あえてベストは挙げません。
"Live At The 55 Bar" Ben Monder (https://www.amazon.co.jp/dp/B08QRVJ2L9/ )
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