"慕情" 菅野邦彦

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コロナ禍で、入手困難だったりそこまで手が回らなかったりでこれまであまり聴けていない邦人ジャズを集中的に聴かせてもらう機会を得ました。
そのため散発的にちょっと古い日本人のジャズの紹介が紛れ込んでいます。

本作は、先日の南博さんのイベントで、最近よく聴いているピアニストは誰かと問うたときの答えの1人で、ちなみにもう1人は菊地雅章でした。

菅野邦彦の名前は以前から知って(オーディオ評論の菅野沖彦が兄)いましたが演奏を聴くのはこれが初で、1974年にTBMレーベルからリリースされた作品。

メンツは、ピアノトリオにコンガが入ったカルテット。
菅野邦彦(p) 小林陽一(b) 高田光比古(ds) 小川庸一(conga)

演奏曲は以下の通り。
1.慕情
2.枯葉
3.ブルース・フォー・ウィントン・ケリー
4.パーディド

菅野のピアノを今回初めてきちんと聴いたことになるが、タッチの振り幅の広さの凄さってのが第一印象。
カツーンカツーン、コロコロ、ピロリピロリといった様相のピアノで、こりゃ凄いとあらためて思い知った次第。
ちょっと、山本剛を想起するような印象も持ったが、これはもしかしたら年代的なスタイルの流行りみたいなものがあるのかもしれない。
録音が中規模程度のホールでのライブ収録で、最後の音がしっかり消え切るまで拍手が始まらないのはちょっとすごい。
おそらく、聴衆の全てが音ではなくピアニストの挙動で拍手を送っているからだと思うが、
たいがいは誰か無頓着な人がいて、フライング拍手とか、もうちょっと待てと思うことが多々あるもんだが、ここではそんな輩がいない。
あるいはもしかしたら、録音があるからと事前に聴衆に指示が出ていたか…
トリオの演奏でピアノだけ言及するのもアレなので、菅野のピアノ以外では、やっぱり小林のベースが良い味を出しているのは、不肖自分にもわかるかなぁと...。

ベストは1曲めにしましょう。

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