"Two Roses" Avishai Cohen

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ベーシストのほうのAvishai Cohenの新作です。
前作が2019年の2管を従えたクインテット編成のもの。
Avishai Cohenは、ほぼ2年おきのリリースペースで、イスラエル色の濃い作品とジャズ色の濃い作品が交互にリリースされているようなイメージを持っています。
前作がジャズ色濃いめのアルバムだったので、本作はイスラエル色の濃いものを予想しているが、以下の通りオーケストラとの共演ってことで、どんな内容になっているか興味津々。

メンツですが、オーケストラを擁した大作で、前作にも参加していたピアニストElchin Shirinovに、
ドラムがMark Guiliana のトリオを核としたもの。
Avishai Cohen(B)、Elchin Shirinov (P)、Mark Guiliana (Ds)
Gothenburg Symphony Orchestra

演奏曲はAvishai Cohenのオリジナルが6曲、トラディショナルが3曲、その他3曲という構成
01 Almah Sleeping
02 When I'm Falling
03 Song For My Brother
04 Two Roses (Shnei Shoshanim)
05 Nature Boy
06 Emotional Storm
07 Puncha Puncha
08 Arab Medley
09 A Child Is Born
10 Alon Basela
11 Morenika
12 Nature Talking

オーケストラの醸し出す、壮大なサウンドと、Avishai Cohenの作り出す中東調のフレーズとが相まって、シルクロードを舞台にした映画でも見ているような、そんな印象を抱くような作風。
最初と最後の曲が中東色希薄なところが物語性をより冗長しているようで、ジャズとはベクトルがちょっと異なるかもしれないが、相当な聴き応えを感じさせる大作。
演奏の主体は、完全にオーケストラにあって、そこにボーカルが絡む場面が少し紛れるような感じで、Avishai Cohenを含むジャズな面々の演奏はごく限られたもの。
Avishai Cohenの演奏を楽しむというよりは、Avishai Cohenの作り出す音世界を楽しむような作品と思ったほうが合っている印象。
前述の通り、Avishai Cohenのアルバムは、がっつりのジャズとがっつりの中東色のものとが、交互にリリースされているが、これは後者のアルバムということ。
ジャズな期待を持たずに聴けば、その壮大な音世界とおおらかでありながらドラマチックな展開は、かなりの聴き応えを感じさせるものに仕上がっているのは間違いのないところ。

ベストですが、アルバム全体を通して聴くのが本筋な気もするが、あえてで8曲めにしましょう。

"Two Roses" Avishai Cohen (https://www.amazon.co.jp/dp/B08XY7TCNT/ )

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