"Upstream" Alex Sipiagin
Alex Sipiaginの新作はワンホーンカルテット。
前作は、Chris Potter, Will Vinsonを擁した3管で2019年でした。
"Nofo Skies"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/469446232.html )
本作のメンツは、ここのところ登場頻度が異様に高いArt Hirahara, Boris Kozlov, Rudy Roystonのトリオを擁したもの。
このトリオはここのところ登場頻度が異様に高く、自分の知ってる(買ってる)範囲で、Alexa Tarantinoの"Firefly"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/482396209.html )、BehnGilleceの"Still Doing Our Thing"(https://www.amazon.co.jp/dp/B08W7DPSBL/ )、Art Hiraharaの"Open Sky""(https://www.amazon.co.jp/dp/B095GSG1D6/)と多くのアルバムがあります。
メンツは、そんな盤石のトリオを擁した下記4人。
Alex Sipiagin(Tp,Flh)、Art Hirahara(P)、Boris Kozlov(B)、Rudy Royston(Ds)
演奏曲は、Alex Sipiaginが5曲、Boris Kozlovが2曲、Art Hiraharaが1曲のオリジナルに、Wayne Shorterが入って全部で9曲。
1.Call (A. Sipiagin) 5:48
2.Echo Canyon (A. Hirahara) 5:19
3.Sight (A. Sipiagin) 4:58
4.SipaTham (A. Sipiagin) 5:23
5.Magic Square (B. Kozlov) 5:58
6.Rain (A. Sipiagin) 6:09
7.Shura (B. Kozlov) 4:57
8.Miyako (W. Shorter) 5:58
9.Upstream (A. Sipiagin) 7:05
非4ビートのいわゆるコンテンポラリジャズといった様相の曲が並ぶ。
上述の通り、ピアノトリオの3人がここのところ集中的にいろいろなアルバム出没してきているが、このアルバムでもピアノトリオの3人のコンビネーションの素晴らしさと、ハードな演奏が印象的。
特にベースのBoris Kozlovが曲の冒頭からだったり、ソロだったりで聴かせる硬質な音色でゴリゴリ攻め立ててくるさまは、なかなかの迫力で気分が高揚してくる。
これまで もう少し優しい系のピアノという印象を持っていたピアノのArt Hiraharaが、ここではタッチこそそう強いという感じではないものの、フレーズ的にはかなり攻めた演奏を繰り広げていて、特にソロでの挑戦的な演奏はちょっと印象が変わるくらい。
これくらいアップテンポな曲のほうがアートの演奏の面白さ、真価をより享受できているんじゃないかと思たが。。
バラード曲では、これまで感じていた魅力を発揮したエモーショナルな演奏を楽しませてくれる。
ドラムのRudy Roystonも、音数の多さはこれまで通りだが、演奏のうねりに乗っかってよりグルーヴ感のあるドラミングを披露し演奏をしっかりと鼓舞してきている。
そして主役のAlex Sipiaginのさまざまな表情を見せながら淀みなく堂々とした演奏を聴かせるさまは、さすがに巧いなぁ上手いなぁとしみじみ感じさせる演奏を聴かせてくれる。
スタイル的には、crisscrossレーベル的というかちょっと前に流行ったようなということになってしまうんだと思うが、個人的には非常に好きなスタイルの演奏ではあります。
ベストは4曲めに
"Upstream" Alex Sipiagin (https://www.amazon.co.jp/dp/B091PR83JH/ )
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