"Variations On A Melancholy Theme" Brad Mehldau
Brad Mehldauの前作は、コロナ禍で録音されたソロ作で、"Suite: April 2020" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/478348630.html )と題されたもの。
いかにもコロナ禍の状況を想起させるタイトルになっていた。
本作ですが、とくにジャケット等には記載はありませんが、最後がアンコールなのでライブ収録と推測します。
もともとOrpheus Chamber Orchestra とは2012年頃にツアーを行っていたようなので、このコロナ禍にこんな大人数でのライブをやってる可能性も低く、その頃の音源を引っ張り出してきてリリースしたものかもしれません。
メンツは以下の通り。
Brad Mehldau(P)、Orpheus Chamber Orchestra
演奏曲は、Brad Mehldauがロシア出身のピアニストKirill Gerstein のために作曲したものとのこと。
1.Theme
2.Variation 1
3.Variation 2
4.Variation 3
5.Variation 4
6.Variation 5
7.Variation 6
8.Variation 7
9.Variation 8
10.Variation 9
11.Variation 10
12.Variation 11
13.Cadenza
14.Postlude
15.Encore: Variations ""X"" & ""Y""
ピアノによるテーマ演奏からクラリネット、ファゴットによる同じフレーズの繰り返しから演奏が始まる。
テーマの旋律は童謡的な明瞭さを持ったもの。
このあとから変奏曲が始まり、当初のテーマを少し崩したようなフレーズのバリエーション、楽器使いのバリエーションを駆使して、印象を少しづつ変えた演奏が続く。
全体の印象としては、中編成くらいのオーケストラによるピアノコンチェルトといった感じ。
テーマを崩すという意味ではジャズ的な要素も入ってきているのかもしれないが、ほとんどジャズ的な要素は聴き取れないか。
これで多少なりとも打楽器(ドラム)が入ってくると雰囲気はずいぶん違ったものになりそうだが、実際にはほとんど打楽器の音は入ってこない。
Brad Mehldauの演奏ということでジャズな雰囲気を期待して聴き始めたとしたら、ちょっと期待を裏切られるかもしれない。
ただし、Brad Mehldauのピアノに注視して聴いていれば、メルドー的なフレーズはそこかしこで聴ける感じではあるので、そういう意味での満足感は得られると思う。
最後がアンコールとなっていて、Brad Mehldauのピアノソロが演奏される。
それまではノイズ感等ライブな気配は感じられないが、この曲だけちょっとライブな空間感が感じられるか。
演奏が終わると、取ってつけたようにも聞こえるが拍手とちょっとの歓声が鳴り響く。
この最後の曲はだいぶジャズな雰囲気を感じさせる演奏。
ベストは5曲めにしましょう
"Variations On A Melancholy Theme" Brad Mehldau (https://www.amazon.co.jp/dp/B091F3JDSH/ )
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